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詐欺破産罪について

  • 文責:所長 弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2021年7月16日

1 破産法265条1項

破産法265条1項は、以下のように規定しています。

「破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者(略)について破産手続開始の決定が確定したときは、10年以下の懲役若しくは1千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。情を知って、第4号に掲げる行為の相手方となった者も、破産手続開始の決定が確定したときは、同様とする。

① 債務者の財産(略)を隠匿し、又は損壊する行為

② 債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為

③ 債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為

④ 債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為」

刑罰は、10年以下の懲役または1千万円以下の罰金で、懲役刑と罰金刑を併せて科することも可能とされていますので、重大な犯罪であることは間違いありません。

2 犯罪行為の内容(1号から4号の内容)

⑴ 1号は、債権者を害する目的で債務者の財産を隠匿または損壊する行為を規定していますが、例えば、相当な価値のある宝石があるにもかかわらず、財産として申告しない(財産目録に記載しない)行為がこれにあたります。

なお、宝石であれば物理的に隠匿することが可能ですが、物理的な隠匿は不可能な財産、例えば相当額の仮想通貨があるにもかかわらず財産として申告しない場合も1号の行為に該当します。

⑵ 2号は、債権者を害する目的で債務者の財産の譲渡または債務の負担を仮装する行為を規定しています。

例えば、譲渡する意思がないにもかかわらず自動車の登録名義を妻に変更したり、借り入れがないにもかかわらず親族から300万円を借り入れていることにして債権者一覧表に記載したりする行為がこれにあたります(配当がある案件であれば、これにより親族以外の破産債権者への配当が減ります)。

⑶ 3号は、債権者を害する目的で、債務者の財産の現状を改変してその価値を減らす行為を対象としています。

例えば、借地権つき建物についてその借地権を放棄するような行為がこれにあたります。

⑷ 4号は、債権者を害する目的で、債務者の財産を債権者の不利益に処分したり、債権者に不利益な債務を債務者が負担したりする行為が該当します。

例えば、時価1000万円のスポーツカーを100万円で売却するような行為がこれにあたります。

3 自己破産の相談にあたって

自己破産の相談を受ける際、車を取られたくないので家族の名義に変更していいか、というようなことを聞かれることがあります。

しかし、車の名義変更は詐欺破産罪に該当する犯罪行為です。

自己破産をするのであれば、破産犯罪に関する規定をよく理解し、誠実かつ真摯に対応することが重要です。

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