サイト内更新情報(Pick up)
2023年9月5日
債務整理
債務整理と消滅時効
皆さんは、昔の話を蒸し返されたときに、「もう時効だよ」と返答した経験はあるでしょうか。また、「空き地に住み続けたら時効で自分の土地になる」等と周りの人と話したことは・・・
続きはこちら
2023年8月14日
任意整理
仕事がアルバイトでも任意整理はできるのですか?
任意整理は、カードローンやクレジットカードの返済が難しくなった場合に、各貸金業者と個別に交渉して返済条件を変更するという債務整理の手段です。つまり、任意整理は民事交渉の・・・
続きはこちら
2023年7月25日
任意整理
任意整理と保証会社
都市銀行や地方銀行、信用金庫や信用組合のカードローンには、通常、保証会社が付けられています。保証会社は、債務者からの返済が滞った場合に備えて付けられているものです。どの・・・
続きはこちら
2023年6月12日
債務整理
個人再生と自己破産の違い
個人再生と自己破産は、裁判所で行われる債務整理の手続です。いずれの手続も地方裁判所で行われます。個人再生は民事再生法、自己破産は破産法という法律にしたがって行われます・・・
続きはこちら
2023年5月16日
個人再生
小規模個人再生と給与所得者等再生の違い
個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類があります。両者の違いは何かというと、給与所得者等再生を行うためには、小規模個人再生の要件を充たす必要があります・・・
続きはこちら
定期的に記事を追加・更新
当サイトに掲載している記事は、定期的に追加・更新しています。最新の記事は、サイト内更新情報としてこちらにまとめています。
続きはこちら
債務整理は生活再建の手段です
借金問題でお悩みの方の生活を再建するための手段として、債務整理があります。千葉で借金にお悩みの方は、まず一度当法人までご相談ください。
お越しいただきやすい立地
当法人の事務所は駅から歩いてお越しいただける距離に設けています。ご相談にお越しいただきやすい環境を整えておりますので、お気軽にご利用ください。
債務整理を自分でする場合と弁護士に依頼する場合の違い
1 自己破産または個人再生を自分でする場合のメリット・デメリット
⑴ 費用面でのメリット
自己破産については、だいぶ前は弁護士等の専門家に依頼せずに自分で申立てを行うケースも少なくなかったようです。
しかし現在では、裁判所で行う債務整理の手段である自己破産または個人再生について、弁護士等の専門家に全く依頼せずに自分で申立てを行うケースはほとんどないのではないかと思います。
たしかに、自己破産や個人再生の弁護士費用は数十万円以上になるのが通常ですので、弁護士に依頼しなければ、この弁護士費用を準備する必要はないというメリットはあります。
ただし、例えば千葉地方裁判所での破産管財事件の場合、管財人に引き継ぐ予納金が20万円になる少額管財手続きは弁護士が代理人として申立てを行った場合にのみ適用されますので、自分で申立てをした場合は通常管財手続きとなり、管財人に引き継ぐ予納金は原則として50万円になります。
個人再生についても、千葉地方裁判所の場合、弁護士が代理人として申立てを行った場合は原則として個人再生委員は選任されませんが、自分で申し立てた場合は必ず個人再生委員が選任されます。
個人再生委員の費用としては、15万または20万円が必要になります。
⑵ 申立て手続きを行う上でのデメリット
自己破産または個人再生の場合、すべての債権者を対象とする必要がありますので、一部の債権者のみ返済を継続するということはできません。
弁護士が債務整理の代理人として就いていれば、消費者金融会社やクレジットカード会社、債権回収会社は法律により債務者への直接の連絡が禁止されますが、弁護士が代理人として就いていない場合は、申立てを行うまで消費者金融会社等からの督促等の連絡が来ることになります。
自己破産または個人再生の申立書については、千葉地方裁判所では裁判所が窓口で書式を用意していますので、それを利用すれば、一般の方でも申立ては不可能ではありません。
しかし、破産法や民事再生法の知識がないまま申立書を作成すると、思わぬ不備が生じることも考えられ、とくに個人再生の場合は、手続きが途中で廃止されることにもなりかねません。
⑴⑵のことから、自分で申立てを行えば、金銭的なメリットはありますが、弁護士に依頼すれば、それを上回るメリットがあると言えるでしょう。
2 任意整理の場合
任意整理は業者と個別に交渉して返済条件を変更する手続きですので、業者が応じてくれるのであれば、自分で交渉・和解を行うことも可能です。
任意整理であれば、例えば、返済の負担が重い業者のみ対象として行うことが可能ですので、対象から外す業者については、返済が遅れない限り、督促の連絡が来ることはありません。
実際、本稿の執筆者は、債務整理の相談で、過去に自分で和解を行っていたケースを複数担当しています。
しかし、自分で消費者金融会社等の担当者と直接交渉することは心理的に負担となり、また、弁護士を通さないと交渉に応じてくれない業者もあるようです。
また、利息制限法の上限利率で引き直し計算を行えば過払い金が発生しているのに、それを知らないまま和解をしてしまっているケースもあります。
弁護士に依頼していれば、このようなことはありません。
そのため、任意整理についても、弁護士に依頼して進めるとよいでしょう。
債務整理での直接面談義務
1 弁護士自治と日本弁護士連合会の規程
弁護士が、その使命である人権擁護と社会正義を実現するためには、いかなる権力にも屈することなく、自由独立でなければなりません。
そのため、日本弁護士連合会(日弁連)には、完全な自治権が認められています。
この自治権の一環として日弁連は、会員である弁護士が従わなければならない規程を定めることができます。
債務整理に関する直接面談義務は、日弁連が平成23年に定めた「債務整理事件処理の規律を定める規程」(以下「債務整理規程」といいます)に規定されています。
2 債務整理規程の目的
債務整理規程の第1条には、規程の目的が述べられています。
「この規程は、過払金返還請求事件を含む債務整理事件が多量に生じている状況において、債務整理事件について一部の弁護士…によって不適切な勧誘、受任及び法律事務処理並びに不適正かつ不当な額の弁護士報酬の請求又は受領がなされているとの批判があることに鑑み、臨時の措置として、債務整理事件の勧誘、受任及び法律事務処理に関して弁護士が遵守すべき事項を定めるとともに、主として過払金返還請求事件における弁護士報酬の額を適正化し、もって弁護士に対する国民の信頼の確保及び依頼者の利益擁護を図ることを目的とする。」
つまり、債務整理規程の目的は、債務整理の依頼者を食い物にする一部の弁護士から依頼者を護ることにあります。
3 債務整理における直接面談義務
直接面談義務は、債務整理規程の第3条に規定されています。
「弁護士は、債務整理事件を受任するに当たっては、あらかじめ、当該事件を受任する予定の弁護士(…弁護士法人が受任する予定である場合にあっては当該弁護士法人の社員又は使用人である弁護士のうち少なくともいずれか一人をいう。)が、当該債務者と自ら面談して、次に掲げる事項を聴取しなければならない。ただし、面談することに困難な特段の事情があるときは、当該事情がやんだ後速やかに、自ら、面談をして、次に掲げる事項を聴取することで足りる。」
この規定の「自ら面談して」の部分が直接面談になります。
依頼者を食い物にする弁護士は、事務職員に法律相談を担当させ、または電話での相談のみで(日本全国の)債務整理を受任することが多いため、このような規定が設けられました。
電話での相談のみで依頼したいという方もいらっしゃるかと思いますが、この直接面談義務は依頼者の方の利益を護ることを目的としていますので、ご理解いただければと思います。
4 最初に電話相談から始めることはできます
とはいえ、相談の段階では必ず事務所に行かなければならないわけではありません。
忙しくてすぐには事務所に行けない方や、まずは電話で少し話を聞いてみたいという方もいらっしゃるかと思います。
そのような場合には、最初に電話相談から始めていただくことができます。
ご相談後、弁護士に債務整理を依頼するとなったら、実際に事務所までお越しいただく流れとなります。
お電話の場合でも、できるだけわかりやすくご説明をすることを心がけておりますので、債務整理をお考えの方は一度当法人までご連絡ください。
債務整理についての専門家の選び方
1 債務整理を取り扱っている専門家の種類
個人の方が行う債務整理手続きのうち任意整理を取り扱っている専門家は、弁護士と認定司法書士です。
認定司法書士とは、簡易裁判所において取り扱うことができる民事事件(訴訟の目的となる物の価額が140万円を超えない請求事件)等について、代理業務を行うことができる司法書士です。
裁判外の和解手続きもこれに含まれており、任意整理はこれに該当します。
つまり、任意整理の場合、認定司法書士は、元金が140万円以下の業者についてのみ、債務者の代理人として交渉等を行うことができます。
そのため、認定司法書士が相談を受ける場合、代理業務を行うことができる元金140万円以下の業者のみ任意整理を受任し、代理できない業者については弁護士への相談を勧めているケースもあるようです。
しかし、任意整理は、対象業者全部について同一の専門家が担当することで、バランスの取れた解決が可能となり、また、受任後に任意整理での解決が困難と判断された場合に直ちに別の手続きに切り替えることができます。
それゆえ、任意整理については、最初から弁護士に相談する方がよいでしょう。
2 債務整理の相談をする際の弁護士の選び方
任意整理は、民事交渉事件の一つですが、貸金業者やクレジットカード会社に対する負債を対象として行う比較的手軽な債務整理の手法として定着し、合意内容についても、例えば3年から5年程度の分割返済とするなど実務慣行も形成されています。
そのため、依頼した弁護士によって結果に大きな違いが生じることは通常ありません。
しかし、合意可能な内容については業者ごとに違いがあり、その内容をしっかりと把握しておかないと、任意整理をすれば十分返済可能なのに自己破産にしてしまうなど、債務整理手続きの選択を誤ってしまうことにもなりかねません。
例えば、返済期間10年でも合意可能な業者について、当該業者との交渉経験があまりないため5年が限界であると判断し、自己破産を勧めてしまうということも生じ得ます。
3 債務整理の経験豊富な弁護士を選択しましょう
このように、任意整理で合意できる内容については業者毎に違いがあり、また、同一業者についても合意可能な内容が変更されることもありますので、その内容について適切に把握するためには、十分な件数の任意整理の案件を継続的に担当することが重要になります。
なお、ウェブ上では、業者毎の任意整理の動向を説明しているウェブサイトもありますが、そこに記載されている内容と異なる内容での合意ができるケースもありますので、参考程度にしかなりません。
そこで、任意整理の相談をする際は、債務整理を多数取り扱っている法律事務所をまず選択肢に入れるとよいでしょう。
弁護士法人心では、債務整理を主力分野として多数の案件を取り扱っていますので、安心してご相談、ご依頼をいただければと思います。
任意整理をした場合の返済期間
1 任意整理とは
任意整理は、個人の方が行う債務整理の手段の一つですが、この手続きは、貸金業者や信販会社に対する負債を対象とし、業者と返済条件の変更について個別に交渉して合意することを目的とします。
この任意整理の手続きは、通常、まず返済総額を確定し、月々の返済可能額を考慮して返済期間を決めることになります。返済総額を返済期間(月数)で除した金額が毎月の返済金額になります。
本稿では、任意整理を行った場合の返済期間についてご説明します。
2 原則は36回(3年間)
個人再生手続きでは、返済期間は原則として3年とされていますが、任意整理の場合も、返済期間は最長3年としている業者も存在します。
そのため、任意整理を検討する際には、まず、現在の家計収支を前提に36回の分割で返済できるかどうかを検討します。
3 最長60回(5年間)
個人再生手続きでは、特別の事情があれば、最長5年まで返済期間を延長することができます。
任意整理の場合も、返済期間を最長5年(60回分割)とする業者も少なくありません。
なお、任意整理の依頼者で、3年(36回分割)で返済できるという方は少ないですので、実務では5年(60回分割)で合意することが多くなっています。
4 60回(5年間)を超えるケース
一部の業者は、5年を超える返済期間での合意にも応じてくれます。中には10年の返済期間でも合意可能な業者もあります。
ただ、ここで注意が必要なのは、任意整理は交通事故の示談交渉などと同じ民事交渉で(法律の規制に反しない限り合意内容は自由です)、返済期間については貸金業法等の法律で規制されているわけではないですので、任意整理に関する業者の方針が変更されると、5年を超える返済期間での合意ができなくなってしまうということです。
例えば、5年を超える返済期間での合意ができていた大手クレジットカード会社が突然(予告なく)返済期間を最長5年に変更したため、多少の混乱が生じたことが過去にありました。
現状では、多数の業者は返済期間5年での合意が可能ですので、5年を超える返済期間での合意が可能な業者を対象とする場合でも、念のため5年になる場合も想定して任意整理を検討する必要があると言えるでしょう。
5 返済期間についての注意点
⑴ 任意整理の対象業者との取引期間が短いと、任意整理の条件が厳しくなり合意できる返済期間が短くなる業者が増えてきている印象があります。
そのため、任意整理での解決が可能かどうか検討する際には、当該業者との取引年数についてできるだけ正確な情報をお伝えいただく必要があります。
なお、取引期間が長いと、長期での分割が可能になる業者もあります。
⑵ 一部の業者については任意整理を行っても将来利息が0%にならない場合もありますが、将来利息を要求されるケースでは、返済期間が長期になればなるほど利息の負担が増えるため、返済総額は増えることになります。
周囲に知られずに任意整理できるか
1 任意整理のやり方
例えば、消費者金融会社のA社に100万円の借り入れがあるとします。
この負債について任意整理を行う場合、受任した弁護士は、まずA社に対し受任通知を送付します。
受任通知を送付すると、以後、窓口は弁護士となりますので、A社からの連絡は弁護士に来ます。
弁護士が相手方と任意整理の交渉を行い、交渉後の合意書も、弁護士事務所に届きます。
以降は、その合意書の内容に従って返済するだけとなります。
任意整理の手続きは以上のとおりですので、合意書等の書類の管理をしっかりしておけば、通常は、任意整理について周囲に知られることはまずありません。
ここでは、知られる可能性があるケースについていくつかご紹介します。
2 信用情報の影響によるもの
⑴ ブラックリスト
消費者金融会社やクレジットカード会社の負債について債務整理を行う旨の受任通知を弁護士が送付すると、信用情報に債務整理を行うという、いわゆる事故情報が登録されることになります。
事故情報が登録されると、任意整理の対象から外している業者についても、新規の借り入れやクレジットカードの利用ができなくなることが多いです。
そのため、例えばクレジットカードが利用できなくなったことから、任意整理が知られてしまうことがあり得ます。
特に、家族カードの発行を受けている場合は、そのカードも利用できなくなりますので、家族に知られる可能性はより高くなります。
⑵ 与信審査
信用情報に事故情報が登録されると、新たに与信を受けるのも難しくなります。
そのため、以下のような場面で、審査が通らなかったことにより任意整理を行ったことが知られてしまう可能性があります。
① アパート等の賃貸で保証会社の利用が必須で、保証会社がクレジットカード会社の場合
② 配偶者がクレジットカード会社等のローンで自動車を購入する際、連帯保証人になることを求められた場合
③ 携帯電話・スマートフォンの端末を分割払いで購入する場合
④ 住宅ローンを利用する場合
3 口座凍結の影響
銀行のカードローンを利用している場合、当該カードローンについて任意整理を行うと、銀行が保証会社から代位弁済を受けるまでの間、当該銀行の預金口座が凍結されます。
そのため、当該口座を給料の振込先に指定している場合や、水道光熱費の振替口座としている場合は、口座を変更しなければならないため、それにより任意整理が知られてしまう可能性があります。
弁護士に債務整理を依頼すると借入金の元金が減るケース
1 自己破産と個人再生
自己破産は、非免責債権を除く負債の全部について免除を受けることで経済的更生を達成することを目的とする手続きですので、免責が許可されると、破産手続開始決定時に存在した借入金は、遅延損害金も含めて全額免除されることになります。
また、個人再生は、一定のルールに従い減額された負債について、認可された再生計画に従い返済することを目的とする手続きで、減額された負債について再生計画に従った返済を行えば残りの部分は免除されますので、通常、元金も減額されることになります(ただし、給与所得者等再生を選択した場合や清算価値が大きい場合は、元金の減額までの効果は受けられない場合があります)。
いずれも裁判所で行う手続きであり、手続きの内容は破産法および民事再生法で定められています。
2 任意整理の場合
⑴ 原則
任意整理は、貸金業者等と直接交渉して返済条件を変更することで債務を整理する手続きですが、この任意整理のご相談の際、元金の減額交渉を要望されることが時々あります。
しかし、この任意整理手続きの一般的な方法は、元金残額(ただし現在は和解日までの遅延損害金まで加算されることが多くなっています)を3年から5年程度の分割で返済するという内容で合意するというものになりますので、将来利息の免除は受けられるとしても、元金が減額されることはまずありません。
ただし、例外的に元金が減るケースは存在しますので、以下ご説明します。
⑵ 業者から提案があった場合
業者側から積極的に減額した元金での和解の提案があった場合は、その提案内容を受諾することができるのであれば、元金減額の効果を受けられることになります。
ただ、業者の提案は、例えば、残元金60万円のうち40万円を一括で返済してくれれば残りは免除する、というような内容であることが通常です。
任意整理の相談をする際には、預金等の財産はほぼすべて返済に充ててしまっている方がほとんどですので、親族等からまとまった援助を受けられる等の事情がない限り受諾は困難でしょう。
なお、実務上は、上記のような提案を受けることはほとんどありませんが、某外資系クレジットカード会社の負債について任意整理を行う場合は、上記のような提案を毎回受けています。
⑶ 高い利率で借り入れていた場合
利息制限法の上限利率を超える利率で借り入れを行い、その借入金に対する利息の支払いがみなし弁済の要件を充たさない場合、支払った利息のうち上限利率で計算した金額を超える部分は元金の返済に充てられることになります。
そのため、結果的に元金は減額され、元金がゼロになった後も返済を継続している場合はその返済金額は過払い金となり、その返還を貸金業者に請求できることになります。
⑷ 消滅時効期間が経過している場合
借入金について消滅時効期間が経過し、その消滅時効を援用すすると、当該借入金の返済義務を免れることができます。
つまり、当該借入金について破産免責を受けたのと同様の効果が発生します。
消滅時効期間が経過しているかどうかにつきましては、最終取引日(返済または借り入れ)から5年以上が経過しているかどうかが一つの目安になりますので、業者から督促等受けた場合は、ご自身で対応することはせず、すぐに弁護士に相談してください。
クレジットカードについての任意整理の注意
1 カードローンとの違い
銀行や消費者金融から借り入れをしている場合、弁護士に任意整理を委任し弁護士が銀行等に債務整理の受任通知を送付すると、利用限度額の範囲で何度でも借り入れができる契約の場合でも、銀行等は新たな貸付けを停止します。
そのため、保証会社が代位弁済を行う場合は多少時間がかかる場合もありますが、一般的には、負債額は比較的早期に確定することになります。
しかし、クレジットカードの場合、債務整理の受任通知の送付によりクレジットカードの利用はできなくなりますが、水道光熱費や会費等、定期的に支払うものをクレジットカード払いにしていた場合、受任通知の送付後も、その支払い方法を口座振替などに変更しない限り、加盟店からクレジットカード会社に請求が行き続けることになります。
そうなると、負債額が確定しないため、任意整理の交渉を開始することができません。
そのため、弁護士に債務整理を依頼した後は、直ちにクレジットカード払いになっている料金等の支払い方法を変更してください。
とくに、ネットのプレミアム会員の会費などは月々数百円程度のこともあり、クレジットカードで支払いをしていることを忘れてしまっていることもありますので、債務整理の受任通知によりクレジットカードの利用が停止されウェブで明細を確認することができなくなる前に、明細をチェックしておきましょう(なお、明細を確認できない場合でも、クレジットカード会社に問い合わせて定期的に支払われているものを確認することは可能ですので、弁護士に申し出てください)。
2 ETCカード
クレジットカード会社からETCカードの発行を受けている場合、債務整理に入るとETCカードも利用停止になります。
しかし、安全上の理由で、ETCカードは利用停止にしていないクレジットカード会社もあるようです。
そのため、任意整理を行う場合は、ETCカードについてもはさみで切断し、廃棄することが必要になりますので、弁護士との相談の際にETCカードも持参し、債務整理を依頼する際に弁護士に渡してください
なお、仕事等でETCカードが必要な場合は、発行にあたり審査のないETCパーソナルカードに切り替えるとよいでしょう。
ETCパーソナルカードはNEXCOが発行していますので、詳細についてはNEXCOのウェブサイトをご覧ください。
債務整理における弁護士法人心の強み
1 任意整理における強み
任意整理は、カードローンやクレジットカードの負債について、消費者金融会社やクレジットカード会社等の金融業者と個別に交渉し、返済条件の変更を行う債務整理の手段であり、民事交渉事件となります。
任意整理は、自己破産や個人再生と異なり、その手続きの内容が法律によって具体的に定められているわけではなく、金融業者も任意整理に応じる法律上の義務はありません。任意整理について慣行と呼べるものは一応存在しますが、金融業者はそれに従う義務もありません。
そのため、任意整理を行うことにより債務整理の目的を達成することができるかどうかを判断するためには、業者ごとの任意整理の基準を把握しておく必要があります。
例えば、ある業者に対するカードローンの負債が300万円あり、毎月4万円返済しているとします。
この業者(またはその保証会社)の任意整理の基準が最長60回分割の場合、任意整理を行うと、利息は0%になったとしても、月々の返済額は逆に1万円増えてしまうことになります。任意整理を行う第一の目的は月々の返済額を減らすことですので、このようなケースでは、当該業者を任意整理の対象から除外するか、または個人再生、自己破産を検討しなければなりません。
弁護士法人心では、任意整理のご依頼を多数受けており、各業者の任意整理の基準について一定程度把握しています。そのため、任意整理を行った場合に月々の返済額がどの程度になるのかについて、比較的正確な予測が可能です。
2 個人再生における強み
個人再生は、債務整理の中では最も案件数の少ない手続きです。そのため、ほとんど取り扱ったことのない弁護士も少なくなく、実務的なノウハウの蓄積も難しくなっています。
また、住宅ローンについて住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用する場合、自宅に住宅ローン以外の担保権が付いていてはいけない等のいくつかの条件がありますが、この条件を正確に把握していないと、住宅ローン特則を使えない案件で使えることを前提に手続きを進めてしまい、自己破産に切り替えると支払いを継続していた住宅ローンが無駄になる、ということにもなりかねません。
弁護士法人心では、債務整理を主要業務の一つとして債務整理チームを結成し、ノウハウの共有に努めております。また、個人再生についても多数の案件を取り扱っており経験豊富ですので、安心してご相談ください。
3 自己破産における強み
個人の方がカードローンやクレジットカードのキャッシング等で多重債務に陥っている場合、その原因が浪費やギャンブルということは珍しくありませんが、浪費やギャンブルといった事情があると免責されないとの情報がネットに流れているため、自己破産はできないと思い込んでいる方も少なくありません。
また、自己破産の経験が少ない弁護士の場合、浪費やギャンブルといった事情があると自己破産を躊躇し、個人再生を勧めることもあるようです。
しかし、個人再生では返済が続きますので、負債がゼロの状態からやり直す、ということにはなりません。また、返済が継続するというプレッシャーは小さくはなく、手続中に心身に不調をきたす方もいらっしゃいます。弁護士法人心では、多数の自己破産のご依頼を受けており、浪費やギャンブル、投機的取引等で多額の負債を負ったケースでも免責が許可された実績が多数ありますので、自己破産で問題ないかどうか、適切に判断することができます。
債務整理を弁護士に依頼した場合と司法書士に依頼した場合の違い
1 債務整理を扱う専門家は弁護士と司法書士
一般の方が債務整理の手段として選択するのは任意整理、個人再生および自己破産が中心となりますが、この債務整理について専門家として扱っているのは弁護士と司法書士になります。
本稿では、債務整理を弁護士に依頼した場合と司法書士に依頼した場合の相違点について、手段ごとにご説明します。
2 任意整理について
任意整理は、消費者金融会社やクレジットカード会社と返済条件の変更について個別に交渉して取り決めることを内容とする債務整理の手段です。
この任意整理については、弁護士であれば制限なく業務を行うことができますが、司法書士の場合は、簡裁訴訟代理等関係業務を行うことができるいわゆる認定司法書士で、かつ負債(元金)が140万円以下でないと取り扱うことができません。
例えば、借り入れが3件あり、負債(元金)金額はA社が50万円、B社が100万円、C社が150万円の場合、認定司法書士は、C社についての任意整理を受任することはできません。
この場合、A社とB社のみ任意整理を引き受けて、C社については弁護士への依頼を勧める認定司法書士もいますが、そうなるとC社の任意整理を引き受けた弁護士はA社およびB社の債務整理の状況がわからず、バランスの取れた解決が困難になることもありますので、全ての業者について同じ専門家に依頼した方がよいでしょう。
3 自己破産について
自己破産は地方裁判所で行われる手続きですので、簡易裁判所の民事事件の代理権限しか有しない認定司法書士は、自己破産手続について債務者の代理人として申立てをすることはできません。
つまり、自己破産手続について債務者の代理人として申立てができるのは弁護士のみで、司法書士の場合は、申立書等の書類の作成代行しかできません。
なお、千葉地方裁判所では管財手続きについて通常管財と少額管財があり、弁護士が代理人として申立てを行った場合は原則として少額管財となりますが、司法書士が書類作成を代行して債務者ご本人が申立てを行った場合、通常管財となります。少額管財の場合の管財人への引継ぎ予納金は20万円ですが、通常管財の場合は原則50万円以上となります(ただし、司法書士が書類作成を代行した個人破産の場合、事案の内容に応じて50万円未満の金額になることもあります)。
つまり、管財手続きの場合は、管財人への引継ぎ予納金として準備しなければならない金額は、弁護士に依頼した場合よりも多くなります。
4 個人再生について
個人再生も地方裁判所で行われる手続きですので、自己破産手続と同様、司法書士は債務者の代理人として申立てをすることはできず、申立書類等の作成代行しかできません。
なお、千葉地方裁判所の個人再生手続きの場合、弁護士が代理人として申立てを行った場合は原則として個人再生委員は選任されませんが、債務者ご本人による申立の場合は個人再生委員が必ず選任されます。本人申し立ての場合、再生委員の費用は原則20万円となります。
司法書士が書類作成を代行した場合でも申立ての形式は債務者による本人申立てとなりますので、個人再生委員の費用が必ず必要になります。
債務整理での弁護士費用の一括払いと分割払い
1 一括払いのケース
任意整理や自己破産等の債務整理の案件について、その費用を一括で支払えるケースには、①依頼者(債務者)の方に財産があるケースと、②親族等からの援助を受けられるケースがあります。
①の財産があるケースについて、債務者の方は、通常、多重債務になり返済が厳しくなってから弁護士に相談することが多いですので、債務整理の費用に充てられる程度の預貯金が残っていることはあまり多くありません。
仮に株式や投資信託があったとしても、これらは容易に売却、換金することができ、債務整理の相談前に換金して返済に充てていることも多く、これらを売却、換金して弁護士費用に充てるということもほぼありません。
そのため、債務者ご本人の財産による費用の一括払いで最も多いのは、解約返戻金のある保険の解約によるものです。
多くの法律事務所は、債務整理の費用の全部または大部分の支払いを受けてから任意整理の交渉や破産申立て等の手続きに着手しますので、債務整理の費用を一括で用意できる場合、分割払いの場合よりも早く手続きに着手できることになります。
そうなると、経済的信用の回復(信用情報からの事故情報の削除)もそれだけ早くなり、依頼者の方にとってメリットとなります。
2 分割払いのケース
一般的に、弁護士に案件を依頼する際に発生する費用(着手金等)は一括前払いが原則ですが、債務整理については一括での支払いが困難なことが多いですので、多くの法律事務所は分割払いも取り扱っています。
分割払いにする場合、毎月お支払いいただく分割金の額の決定方法は、債務整理の手続きの種類や債権者によって異なる場合があります。
まず、任意整理は、業者との合意成立後に合意内容に従って返済をすることが前提となりますので、任意整理後の返済見込額以上の金額を毎月お支払いいただくことになります。
こうすることにより、担当弁護士は、任意整理を行った場合に依頼者の方が問題なく返済できるかどうかを確認することができます。
一方、自己破産の場合は、依頼者の方の日常生活に支障が生じない範囲で可能な限り多くの金額を毎月支払っていただくことになります。
これは、弁護士に自己破産を依頼すると、返済はストップすることになりますが、それにより収支に余裕ができると、生活費として使わない分を浪費してしまうことにもなりかねず、浪費してしまうと、免責の判断に影響が生じるおそれがあるからです。
なお、任意整理および個人再生のケースでは、一部の貸金業者は、弁護士に依頼後一定期間内(例えば3か月)に手続きに着手(任意整理であれば和解案の提案、個人再生であれば申立て)しないと訴訟を提起し、判決が出ると給料を差し押さえてくることもあります。
このような対応をする業者が債権者に含まれている場合は、訴訟で判決が出る前に手続きが可能になるよう、分割払いの金額を設定することもあります。
任意整理と負債の減額
1 任意整理の目的
任意整理は、収入の減少や返済金額の増加により消費者金融やクレジットカード会社等に対する返済が厳しくなった場合や、延滞を繰り返したため業者から一括返済を請求された場合に、業者と直接交渉して返済条件を変更する合意を目指す手続です。
この返済条件を変更する合意を行う際、将来利息は0%になることがほとんどで、合意までに発生している遅延損害金についても免除されることがあります。
しかし、元金については、その全額についてはもちろん、一部の金額についても免除を受けられることはまずありません(なお、アメリカンエキスプレス等の一部の業者については、元金の一部を一括で返済すれば残余を免除するという内容の提案を業者側から受けることがありますが、任意整理を行う方の場合、貯蓄は返済に充ててしまいほとんど残っていないことが多いですので、その提案を受けられるケースはあまりありません)。
負債の減額を目指す場合は個人再生の利用を検討することになりますが(個人再生の場合、通常、負債は大幅に減額されます)、すべての債権者が手続きの対象となりますので、所有権が留保されている自動車は原則として自動車ローン会社によって引き揚げられてしまいます。
任意整理の場合は、自動車ローン会社を対象から外せば、自動車を引き揚げられることはまずありません。
2 一括返済での減額
延滞を繰り返したため期限の利益を喪失し、業者から一括返済を求められたため、返済について親族等に相談したところ、まとまった返済資金の提供の申し出があった、ということがあります。
この場合に、元金の一部について一括返済する代わりに残余の免除を受けられないか、という相談を受けることがあります。
この点、任意整理では、将来利息は0%となるのがほとんどで、遅延損害金も免除されることもありますが、これは法律の規定に根拠があるわけではなく、あくまで両当事者の合意に基づくものです。
そしてこの合意は、債務整理の手段である任意整理の業界慣行に従ったものですので、貸金業者やクレジットカード会社以外のの債権者がこの慣行にしたがった合意に応じるのかどうかは、当該債権者次第です。
さらに言うと、この慣行は法律ではなく、貸金業者であってもこの慣行に従うことを強制されることはないですので、将来利息を要求する業者もあり、分割返済の合意に応じない、つまり任意整理そのものに応じない業者もあります。
この任意整理の業界慣行では、一般に元金の免除を受けて返済するという方法はありませんので、元金の一部免除を受けることを前提とした任意整理を受任することは困難です。
もちろん、元金の一部を一括返済できるケースの場合、業者によっては残余の免除を受けられる可能性もありますので、試しにそのような内容の交渉を行うことはあり得ます。
しかしながら、これは必ずできるものではないですので、元金の一部免除を前提とした一括返済の合意の交渉のみを受任することは原則としてできません。
基本的には、そのような内容の交渉ができなかった場合の対応(通常の任意整理のように分割返済の合意をする等)も含めて受任することになります。
債務整理の弁護士費用
1 弁護士に依頼した場合の費用
弁護士に案件の処理を依頼する場合、各種の費用が必要になりますが、そのうちメインとなるのは着手金と報酬金です。
例えば、離婚を求める訴訟を弁護士に依頼する場合、まず委任契約時に着手金が発生し、判決または和解により離婚が成立したときに報酬金が発生します。
財産分与等の請求がある場合は、その請求についても報酬金が発生します。
費用の支払い方法については委任契約の際に決めることになりますが、着手金は、弁護士が依頼を受ける案件に着手するに際に受領するものですので、委任契約時に全額支払うことが原則となります。
もちろん、委任契約で着手金を分割払いとすることもありますが、その際は、分割払いが滞った場合に受任弁護士による案件処理がどうなるのかを委任契約時にしっかりと確認しておくとよいでしょう。
訴訟中に弁護士との委任契約が終了してしまうと、新たに弁護士を探すか、またはご自身で訴訟を進めなくてはならなくなってしまいます。
なお、事件類型によっては、着手金を無料としている場合もあります。
例えば、加害者が任意保険に加入している場合の交通事故の損害賠償請求や、消費者金融等に対する過払い金返還請求です。
これらの事件類型では、金銭を支払うのは損害保険会社や消費者金融会社であり、金銭の回収はほぼ確実ですので、報酬金の割合を通常よりも高く設定し、着手金を無料にする弁護士が多くなっています。
2 債務整理を依頼した場合の費用
債務整理の弁護士費用にも着手金と報酬金があります。
ただ、現在では、債務整理の弁護士費用を着手金のみとする法律事務所も増えていますので、メインは着手金になります。
ただし、過払い金返還請求は着手金なしで報酬金のみとしている法律事務所が多数です。
この債務整理の着手金も、弁護士が案件に着手するにあたって受領するものですので、契約時に一括払いとなるのが原則です。
しかし、債務整理のご相談の場合、万策尽きてから相談される方も多く、預貯金や現金化できる財産はほとんど残っていないことが多いですので、親族の援助を受けられる場合などを除き、着手金を一括で準備することは困難です。
着手金が用意できるまで弁護士に債務整理を依頼できないとなると、費用が貯まるまでの間、貸金業者からの督促や取り立てが継続し、不安な日々が続くことになります。
そのため、債務整理については、多くの弁護士が着手金の分割払いを取り扱っています。
ただし、着手金は委任契約時の一括払いが原則ですので、分割払いの場合でも、弁護士が行うのは主に受任通知の送付による債権者対応となります。
しかし、受任通知の送付により貸金業者からの督促は止まりますので、任意整理の交渉や自己破産の申立ては、原則として、着手金を含む費用の分割払いが完了した段階で行うことになります。
なお、当法人でも費用の分割払いに対応しており、分割払いの期間については、現在、最長1年間を原則としております。
債務整理に伴う銀行口座の凍結について
1 銀行口座の凍結
銀行口座の凍結とは、銀行口座から預貯金を引き出すことや、銀行口座からの引き落としや振り込みができなくなることをいいます。
例えば、銀行口座の名義人が死亡し、その届出が行われると、当該口座は凍結されることになり、法律に定める場合を除き(民法909条の2参照)、預貯金を引き出すこと等はできなくなります。
このような銀行口座の凍結は、債務整理でも行われる場合があります。
例えば、預貯金口座のある銀行からの借入れがあり、かつ、その借入れについて債務整理を行う旨の受任通知を弁護士が当該銀行に送付した場合等に、銀行口座の凍結が行われることがあります。
債務整理の中でも、自己破産や個人再生の場合は、すべての負債が手続きの対象となりますので、手続きを受任した弁護士は、借入れのある銀行に対し受任通知を送付します。
他方、任意整理の場合は、手続きの対象とする負債を選択できますので、銀行からの借入れを対象とした場合に、当該銀行に受任通知を送付します。
2 銀行口座が凍結されるとどうなるのか
預貯金口座の名義人が死亡し、その届出がなされた場合は、その銀行口座は、原則として、相続人による相続手続きが行われるまで凍結されたままとなります。
相続手続きが行われると、その口座は相続人の意向に従い解約等がなされることになります。
他方、債務整理の場合、当該銀行が債権者ではなくなるまで、すなわち保証会社から代位弁済を受けるまでは、口座は凍結されたままとなりますが、代位弁済を受けた後は、口座凍結は通常解除されることになります。
解除された後は、通常どおり口座を使うことが可能になります。
3 銀行口座の凍結で注意する点は何か
弁護士から債務整理の受任通知の送付を受けたことにより銀行が当該債務者の口座の凍結を行う場合、通常、銀行が受任通知を受領した時点の銀行口座の残高は、銀行からの借入れの返済に充てられます(これを相殺といいます)。
また、上記のとおり、口座が凍結されている間は、ATMで預金を引き出すことや、水道光熱費等について口座振替を行うことができなくなります。
このように、口座の残高が銀行からの借入れと相殺されたり、預金を引き出せなくなったりすると、日常の生活費に困ることにもなりかねません。
そこで、預貯金口座のある銀行からの借入れがある場合は、弁護士が当該銀行に受任通知を送付する前に預金残高を引き出したり、また給料や年金等の振込先口座として当該銀行の口座を指定している場合は、借入れのない別の銀行に変更したりする必要があります。
さらに、水道光熱費や保険料などについて、借入れのある銀行の口座から口座振替で支払っている場合は、口座の変更を行う必要があります。
4 銀行実務の対応
なお、銀行によっては、口座凍結中に当該口座に給料や年金などが振り込まれた場合、引き出せるように対応してくれる場合があります。
また、引き出せない場合でも、凍結されている口座に対する振込手続きがあると、その金額を振込人に戻すかどうかを確認してくれることもあります。
振込人に振込金額が戻れば、振込人に連絡して別の凍結されていない口座に振り込んでもらうことができます。
ただ、預金を引き出せる場合でも窓口で手続きを行わなければならなかったり(窓口だと平日の9時から15時までになります)、ATMを利用できる場合でも時間が限定されたりしますので、口座凍結前に振込先口座の変更を完了しておくことが重要になります。
債務整理に強い弁護士に相談・依頼するメリット
1 債務整理はどのような弁護士に相談・依頼したらよいか
弁護士に債務整理の相談をしようと思い立ったときに、弁護士数は千葉県内だけでも800人を超えていますので、どの弁護士に相談したらいいのか迷われる方もいらっしゃるかと思います。
弁護士が扱っている業務には離婚、相続、交通事故、労働など多数の分野があり、一人の弁護士がすべての分野について精通していることはあまり考えられないですので、債務整理の相談をする弁護士を選ぶ際は、債務整理を多く扱っている弁護士に絞って検討するとよいでしょう。
ここでは、債務整理を多く扱っている弁護士に相談・依頼することについて、債務整理の種類ごとに、具体的なメリットについてご説明します。
2 任意整理におけるメリット
任意整理は、債務残高の増大により毎月の返済額が増え返済が厳しくなった場合や、収入が減ったため毎月の返済が厳しくなった場合に、貸金業者等と個別に交渉し、将来利息をカットして月々の返済金額を返済可能な金額まで減額するなど、返済条件を変更する内容の合意目指す債務整理の手続です。
裁判所の手続きではなく、また対象業者も選択できますので、比較的手軽に行える債務整理になります。
この任意整理の交渉について、業者側に代理人弁護士が就くのは一部の業者に限られ、手段も電話やファックスがメインで、協議がまとまった際の合意書についても多くの業者は自社の書式を利用し債務者側の弁護士が作成する必要はないですので、交渉事件として特に難しい類型というわけではありません。
しかし、任意整理を行った場合に合意することが可能な返済条件の範囲について、実務上凡その慣行は形成されているものの、具体的にどの範囲で合意可能なのかについては業者によって異なることがありますので、任意整理をあまり取り扱っていない弁護士に相談すると、対象業者についての情報不足により手続選択が不適切になってしまうことも考えられます。
例えば、一般的に任意整理で合意可能な分割回数は60回が限度であると認識されていますが、これを60回までは問題なく合意可能であると誤解してしまうと、債務者との取引期間の長短によって合意可能な分割回数が変動する(取引期間が短期の場合は分割回数の上限を少なくする)業者については、60回での合意を想定していたところ、36回までの合意しかできなかった、ということにもなりかねません。
仮に負債額が100万円だった場合、60回分割ですと1か月あたり1万6700円程度の返済になりますが、36回分割の場合は2万7800円程度の返済となり、想定より1万円以上増えてしまいますので、場合によっては手続きを自己破産等に切り替えざるを得なくなってしまうこともあります。
また、60回を超える分割回数での合意が可能な業者もありますが、(100回を超える分割回数での合意が可能なこともあります)、60回が限度であると誤解して債務整理の手段を検討してしまうと、例えば100回分割を前提とすれば任意整理で十分返済可能な案件について、時間や手間のかかる個人再生や自己破産を選択してしまうということにもなりかねません。
任意整理を多く取り扱っている弁護士であれば、それぞれの業者と合意可能な返済条件の範囲について、ある程度の情報を得ておりますので、任意整理を行った場合の結果について、比較的適切に予測することができます。
3 個人再生におけるメリット
個人再生手続きでは、法律のルールにしたがい減額された負債を原則3年、最長5年で返済し完済することにより、残余が免除されます。
個人再生手続きを行った場合の返済期間は、原則として3年とされていますが法律上3年が原則で、「特別の事情」があれば最長5年まで延長することが可能です。
この「特別の事情」について、その文言から厳しい要件が要求されているようにも思えますが、千葉地方裁判所での実務では、家計を計算した結果3年での返済だと返済原資を捻出するのは厳しい、というような事情があれば通常3年を超える期間での返済が認められています。
この点について、個人再生を多く取り扱っている弁護士であれば、このような実務の傾向を把握していますので、債務者の家計の状況を精査し、3年の返済では厳しくても5年であれば十分返済可能である、と判断すれば、安易に自己破産に誘導することはせず適切に個人再生を選択することができます。
受任通知の発送時期
1 債務整理と受任通知
民事事件等の相手方がある案件を弁護士が受任した場合、相手方(相手方に弁護士等が代理人として就いている場合はその弁護士)に対して、代理人になった旨を記載した受任通知を送付します。
これは債務整理の場合も同様で、債務整理を受任した弁護士は、各債権者に対し、債務整理を受任した旨を記載した受任通知を送付します。
弁護士等が債務整理の受任通知を送付すると、それを受領した消費者金融やクレジットカード会社は、法律上債務者に直接連絡することを禁止されます(貸金業法21条1項9号)。
銀行にはこの貸金業法は適用されませんが、受任通知を送付すると、代理人である弁護士等に対して連絡等を行ってくれます。
2 受任通知の送付時期―原則
債務整理の相談は、貸金業者等への返済を延滞し、督促の連絡が来るようになってから来られる方も多くいらっしゃいます。
そのため、債務整理の手続きについて依頼を受けた弁護士は、原則として、受任後直ちに各債権者に対し受任通知を送付し、とくに電話での督促が頻繁に来ている場合は、当該電話番号に電話して受任した旨を伝えます。
3 受任通知の送付時期―例外
銀行や信用金庫から借り入れがある場合、当該金融機関に債務整理の受任通知を送付すると、預金口座は凍結されることになります。
これは、当該金融機関が、受任通知の送付を受けた時点で残存している預金残高をローン等の返済に充てるためです。
これを法律用語で相殺と言います。
この口座凍結は、通常、当該金融機関が保証会社から代位弁済を受けるまで続きます。
銀行や信用金庫は、貸付について保証会社を付しており、例えば、三菱UFJ銀行のカードローンについては、本稿執筆時点では消費者金融のアコムが保証会社になっています。
口座を凍結されると、それが解除されるまで、仮に預金口座に入金があったとしても、引き出しができません。
また、口座振替もできなくなります。
そのため、銀行や信用金庫に対して債務整理の受任通知を送付する場合は、当該金融機関の預金口座に残高があるときはそれを引き出した後に、また近日中に給料等の振り込みが予定されているときは、給料等が振り込まれそれを引き出した後に行います。
4 預金口座凍結についての補足
なお、預金口座が凍結された後に入金があった場合でも、銀行によっては、窓口での引き出しに応じてくれることや、短時間だけ凍結を解除してくれることがあります。
例えば、1時間だけ凍結を解除してくれれば、その時間内はATMで引き出しができるようになります。
また、凍結された口座への振込手続きがなされた場合に、そのまま振込手続きを進めてよいかどうかを確認されることもあります。
その際に振込手続きを止めてもらった場合は、振込不能となって振込資金は振込者に戻ることになります。
その後振込者に連絡し、凍結されていない口座への振り込みをお願いすることになります。
債務整理の相談時期
1 相談時期の3パターン
債務整理の相談に来られる方の相談時期は、大きく3つのパターンに分けることができます。
⑴ 返済できないことがわかり、返済期日の前に相談に来られるケース
一つ目は、返済に充てる原資がなく次回返済期日に返済ができないため、その返済期日の前に相談に来られるパターンです。
借りられるところから借りて返済に充てるという自転車操業を継続していたものの、ついに借りられる業者が尽きてしまい次の返済に充てる資金を確保できないというケースや、クレジットカードの1回払いで高額の買い物をしてしまい、給料では返済できないというようなケースです。
⑵ 返済期日を過ぎ、債権者から催促が来た後に相談に来られるケース
二つ目は、返済期日から数日または1、2週間程度経過してから相談に来られるパターンです。
一つ目のパターンで述べた経緯などにより返済資金が確保できず、悩んでいるうちに返済期日が経過してしまったところ、業者から頻繁に督促の電話やハガキが来るようになったため、焦って相談を申し込むようなケースです。
⑶ 延滞してからある程度の期間が経過してから相談に来られるケース
三つ目は、延滞してからある程度の期間(ケースによっては10年以上)が経過してから相談に来られるパターンです。
延滞後、住民票を移転しないまま転居すると業者からの督促も来なくなるため、放置してしまう方も中にはいらっしゃいます。
その後、就職等により生活を立て直し、住民票を現住所に移転すると、債権回収会社等は住民票を調査していますので、ある日突然督促の通知が届くことがあります。
この通知に驚いて相談を申し込むというパターンです。
2 理想的な相談時期
法人の破産等の場合、ある程度の規模の会社であれば、通常、資金繰りをしっかり把握していますので、近い将来資金繰りが行き詰まることが明らかになれば、その時点で弁護士に倒産手続を委任します。
個人の方の場合でも、普段から家計収支をしっかりと管理し、近い将来返済が困難になることが明らかになった段階で相談していただければ、例えば住宅ローンや自動車ローンなどすべての債権者を対象としなければならない破産ではなく、一部業者の任意整理のみで解決できるなど、債務整理を行うことによるダメージを最小限に抑えることができる可能性が高くなります。
また、支出を見直すことにより返済原資を捻出できることが明らかになることもあり、その場合は、信用情報に事故情報が登録される債務整理を行わなくて済むことになります。
つまり、理想的な相談時期は、近い将来返済が行き詰まることが明らかになったとき、です。
3 債務整理のご相談はお早めに
返済期日に返済せず、そのまましばらく放置すると、訴訟や支払督促を起こされ、給料等を差し押さえられることがあります。
給料を差し押さえられると、生活費に窮し、債務整理手続を行う費用を捻出することも難しくなってしまうかもしれません。
そこで、債務整理の相談は、できるだけ早めに、遅くとも延滞が発生する前には申し込んでいただくのがよいと思います。
相談時期が早ければ早いほど、解決手段の選択肢は多くなります。
債務整理と弁護士の受任通知
1 弁護士の受任通知とは
弁護士が取り扱っている案件には、遺言書の作成など相手方のない案件もありますが、離婚や遺産分割など相手方のある案件について一方当事者(または一部当事者)から依頼を受けた場合、当該弁護士は、相手方当事者(または他の当事者)に対し、受任通知というタイトルの書面を送付するのが通常です。
この受任通知には通常、当該弁護士が紛争当事者の一方ないし一部の代理人に就任したこと、および、今後は代理人である弁護士に連絡し、当事者本人への連絡は控えてほしい旨を記載します。
上記以外には、例えば相手方に対する請求内容を受任通知に記載することもあり、その場合は、書面の内容は受任通知と請求書を兼ねたものになります。
とはいえ、「今後は代理人である弁護士に連絡し当事者本人への連絡は控えてほしい」というのはお願いベースであり、法律による強制力の裏付けはありませんので、当事者本人への連絡を法律の強制力をもってストップさせることはできません。
2 債務整理の受任通知
弁護士による受任通知の一般的な説明は以上となりますが、債務整理の場合は異なっており、弁護士が債務整理の依頼を受け、債権者に対し受任通知を発送した場合、法律上特定の効果が発生することがあります。
すなわち、弁護士による債務整理の受任通知を受領した貸金業者や債権回収会社(サービサー)は、正当な理由なく当事者(債務者)本人に直接連絡して弁済することを要求することを法律上禁止され、これに違反した場合は罰則が科せられます。
また、業務停止等の行政処分の対象になることもあります。
なお、ここでいう貸金業者とは、貸金業法が適用される業者のことで、消費者金融会社やクレジットカード会社が含まれます。
銀行や信用金庫も金銭の融資を行っていますが、貸金業法が適用される貸金業者ではなく、銀行法や信用金庫法が適用され、それらの法律には貸金業法で規定されているような弁護士による債務整理の受任通知に関する規定はありませんので、弁護士の受任通知により債務者本人への督促の連絡が禁止されることはありませんが、銀行や信用金庫も、弁護士から債務整理の受任通知を受領した場合は、債務者本人への連絡を控え、保証会社への請求の前提となる催告書も代理人の弁護士に送付しています。
ここまでは、代理人が適法に就任した場合は代理人を窓口にするというビジネス業界の一般的ルールに銀行や信用金庫も従っていると言えます。
しかしながら、個人債権者の場合は、貸金業法も適用されず、ビジネス業界の一般的ルールも通用しないことが多いですので、債務者への直接の連絡は控えてほしいというのはお願いベースになります。
3 受任通知の送付時期
弁護士による債務整理の受任通知は、自己破産等の債務整理について債務者から依頼を受けたことを債権者に知らせるものですので、その送付時期は、債務整理についての委任契約を締結した後になります。
上記2のとおり、弁護士による債務整理の受任通知には、特定の債権者に対して一定の法律効果が発生しますので、債務整理について受任していないにもかかわらず、債務者への直接の督促を停止させるために受任通知を発送するということは、原則としてできません。
そのため、督促の連絡をすぐに止めたいという方は、は、弁護士へ債務整理の相談をする予定である旨を貸金業者に伝えていただければ、貸金業者も一定期間連絡を控えてくれると思います。
債務整理の相談とは
1 弁護士への法律相談
法律相談とは、典型的には、法律による解決を必要とするトラブルに巻き込まれた方を対象として、弁護士が行っている相談を指します。
例えば、自動車事故に遭い怪我をしたという場合や、遺産の分割で揉めているという場合が典型的な法律上のトラブルですが、いずれも最終的には裁判所の手続き(損害賠償請求訴訟や遺産分割調停・審判)で強制的な解決が可能です。
他にも、法律上のトラブルではないですが、弁護士の業務の中には、例えばこれから締結する契約の契約書のチェックなど、裁判手続き等を利用しないものも多数あります。
法律相談では、弁護士は相談者の方に生じているトラブルについて事実関係を聴き取り、それが法律で解決できるトラブルであれば、解決方法および裁判等を行った場合の解決の見通しなどをアドバイスします。
そして必要であれば依頼を受け、代理人として活動することになります。
2 債務整理の相談の場合
借金やクレジットカード等の負債の返済が厳しくなった方を対象とする法律相談が債務整理相談です。
債務整理には、消費者金融会社やクレジットカード会社と交渉して返済条件を変更する合意を行う任意整理や、地方裁判所で行う個人再生、自己破産という手段がありますので、法律に従った交渉や裁判手続等を利用して解決することが可能なトラブルということになります。
なお任意整理で合意ができなければ、個人再生や自己破産で強制的な解決を目指すことになります。
3 債務整理の相談で聴かれること
債務整理の相談では、弁護士は、主に以下に掲げる事項を相談者の方から聴き取り、アドバイスを行うことになります。
事前に準備できる事項は、できるだけ準備して相談に臨んでいただくと相談がスムーズに進みます。
また、相談に必要な書類等につきましては、事前に説明があると思いますので、可能な範囲で準備していただくと、より相談がスムーズに進むかと思います。
① 負債状況
まず、債権者名(銀行、消費者金融、クレジットカード会社、親族等)と負債の残高を確認します。
任意整理の場合は、借り入れ開始時期も重要な情報となります。
また、借金とは言えないものであっても、支払わなければならないものであれば負債にあたります。
例えば、滞納している税金等も負債となりますが、任意整理を行う前提で相談を進めていたところ、多額の税金の滞納があることが判明し、自己破産に変更したというケースもあります。
② 収入・支出状況
任意整理や個人再生は返済を前提とする手続きとなるため、これらの手続きを選択できるかどうかについては、収入と支出の状況が分からないと判断ができません。
特に支出については、法律相談の際に一から検討するのは時間的にも困難で、記憶のみで計算すると実際の支出額と大きな齟齬が生じていることもあります。
領収書や通帳を確認し、事前に収支表を作成しておくことをおすすめします。
③ 財産状況
個人再生では主に清算価値保障原則の点から、自己破産では主に同時廃止と管財事件の振り分けの点から、相談者の方の財産状況の確認が必要になります。
その際、不動産や車についてはおおよその時価が分かる書類、退職金や保険の解約返戻金については、相談時において退職ないし解約した場合の金額が分かる書類等があると相談がスムーズに進みます。
任意整理を弁護士に依頼した場合の費用
1 任意整理について
任意整理は、貸金業者やクレジットカード会社と個別に交渉して返済条件を変更し合意をすることによって行う債務整理の手段です。
つまり、任意整理は、自動車事故の損害賠償請求の交渉や建物の明け渡しの交渉などと同様、民事交渉事件の類型に含まれるということになります。
2 民事交渉事件の費用
民事交渉事件の弁護士費用には、着手金と報酬金が含まれるのが通常です。
着手金は、弁護士が案件に着手する際に受領する弁護士報酬で、報酬金は交渉成立により発生する弁護士報酬です。
このうち着手金は、最低税込11万円とされているのが通常です。
3 任意整理の費用の相場と当法人での費用
一方、同じく民事交渉事件である任意整理の弁護士費用(弁護士報酬)の相場は、過払い金の回収がある場合を除き、1社10万円を超えることはまずありません。
当法人では、郵送費等の実費は別途必要になるものの、1社につき着手金として4万4000円(税込)が発生するのみで、報酬金は過払い金を回収した場合を除き発生しません。
ただし、事案の内容等により変更の可能性があるため、詳細は当法人にお問い合わせください。
このように当法人の任意整理の費用が一般の民事交渉事件より安くなっているのは、任意整理という名の債務整理の方法について、経験やノウハウが蓄積しており、弁護士が効率的に活動できるためです。
4 任意整理の対象とならない負債
任意整理の対象となる業者は、交渉に応じてくれる業者ということになります。
そのため、交渉ができない業者の場合は、任意整理として一般の民事交渉事件より格安の弁護士費用で受任することはできないということになります。
個人に対する負債の場合も同様です。
任意整理の交渉ができない業者として、そもそも任意整理に非協力的な貸金業者や、公益的な貸付を行っている業者(財団法人や独立行政法人等)があります。
任意整理など、債務整理に関して詳しく知りたい方は、まず当法人にお問い合わせください。
債務整理とクレジットカード
1 債務整理と信用情報
債務整理を弁護士に委任し、弁護士が消費者金融会社やクレジットカード会社に受任通知(○○さんから債務整理を受任したという内容の通知です)を送付すると、消費者金融会社やクレジットカード会社は、提携している信用情報機関に、債務整理が開始した旨を登録することになります。
なお、提携している信用情報機関や、一定の事由が発生した場合にその信用情報機関に登録することについては、消費者金融会社やクレジットカード会社との契約書や利用規約などに記載されています。
2 クレジットカードの利用
債務整理を行うクレジットカード会社については、債務整理によりその会社が発行したクレジットカードを利用することはできなくなります。
そのクレジットカード会社でETCカードを作っている場合、そのETCカードも使えなくなります。
ただ、ETCカードは、安全上の理由から使えてしまう場合もありますので、誤って使うことがないように注意してください(誤って使ってしまわないよう債務整理を委任した弁護士に渡してください)。
任意整理で一部のクレジットカード会社を整理の対象としない場合、または自己破産や個人再生を行う場合でも、ただカードを持っているだけで使っていないため負債がないクレジットカード会社がある場合等は、債務整理を行うことにより直ちにそのクレジットカードが使えなくなるということにはなりません。
しかし、クレジットカード会社は定期的に信用情報をチェックし与信調査を行っていると思われますので、そのチェックにより、債務整理に入った等の事故情報が判明した場合は、利用限度額を減額したり、クレジットカードの新規利用を停止したりすることになります。
また、自己破産や個人再生を弁護士に委任した後に、それまで使っていなかったクレジットカードを使うことは厳禁で、任意整理の場合でも、収支の立て直しという観点からは厳に慎むべき行為です。
3 クレジットカードがなくても生活に不便はありません
最近は、クレジットカード以外の決済手段も増えており、クレジットカードがなくても日常生活に支障はほとんどありません。
例えば、デビットカードは、銀行口座に預金がある限り、クレジットカードと同じように決済手段として利用することができます。
銀行口座の開設と同時にデビットカードを作ることができます。
ETCカードについても、クレジット機能のないETCパーソナルカードであれば、審査がありませんので、債務整理を行った方でも作ることが可能です。
ただし、年会費のほか、デポジット(預託金)としてまとまった金額が必要になります。
なお、自己破産や個人再生を行う場合は、スマートフォンのキャリア決済など、後払いになるものについての利用は控えてください。
これらは実質、クレジットカードの利用と変わらないからです。