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弁護士法人心 千葉法律事務所

小規模個人再生と給与所得者等再生の違い

  • 文責:弁護士 山森一男
  • 最終更新日:2026年7月13日

1 個人再生手続きの種類

個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類があります。

どちらの手続きを選択するかで、必要となる要件や返済額等が変わってきます。

ここでは、この2つの手続きの違いについて説明いたします。

2 実務では小規模個人再生が選ばれることが多い

小規模個人再生と給与所得者等再生には様々な違いがありますが、実務では、小規模個人再生が選択される場合が圧倒的多数を占めています。

小規模個人再生を選択する理由としては、以下の2通りの理由が考えられます。

①小規模個人再生の要件は充たしているが、給与所得者等再生の要件は充たしていないというケース

②要件は満たしているものの、給与所得者等再生を選択するメリットがないというケース

給与所得者等再生の要件は、給与等の安定した収入を継続的に得る見込みがあり、かつその収入の変動が小さいことです。

個人再生を行う方の大多数は給与所得者ですので、多くの方は給与所得者等再生の条件を満たしています。

つまり、小規模個人再生が選択される理由としては、②が中心ということになります。

3 給与所得者等再生の唯一のメリット

給与所得者等再生を選択するメリットとしては、「再生債権者による書面決議の制度がない」というものがあり、これは唯一のメリットと言ってもよいかと思います。

小規模個人再生の場合、一定の再生債権者が再生計画案に対して反対した場合、再生計画案が否決されます。

例えば、議決権のある再生債権の総額が1000万円の場合に、510万円の再生債権を有するA社が反対すると、再生計画案は否決されることになります。

一方、給与所得者等再生では、このような書面決議の制度がありません。

そのため、再生計画案に反対することが予想される再生債権者が存在する場合には、小規模個人再生ではなく、給与所得者等再生を選択することになります。

ただ、そのようなケースはそれほど多くありません。

再生計画案に反対する債権者がいないと予想される状況では、この後ご説明するデメリットの存在もあって、あえて給与所得者等再生を選ぶ理由はないということになります。

4 給与所得者等再生のデメリット

給与所得者等再生のデメリットは、返済総額が大きくなることが多いという点です。

給与所得者等再生では、可処分所得の2年分以上の金額を返済しなければなりませんが、この可処分所得の2年分の金額は、通常は小規模個人再生を行った場合の返済金額より大きくなります。

基本的には借金の返済負担をできるだけ減らすために個人再生を行うわけですので、給与所得者等再生は、メリットがなく、デメリットばかりが大きい手続きということになります。

そのため特別な事情がない限り、通常、給与所得者等再生ではなく、小規模個人再生を選択することになります。

債権者に反対される可能性があるかどうかについては、個人再生を得意とする経験豊富な弁護士であれば、ある程度の予測が立てられるかと思いますので、まずはご相談ください。

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