千葉で『交通事故』に強い弁護士

交通事故被害相談@千葉

交通事故での裁判にかかる期間

  • 文責:所長 弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2025年5月29日

1 交通事故の裁判の始まり

裁判は、訴える側(原告)が裁判の準備をし、訴状や証拠を整えて裁判所にそれらを提出して訴えを提起して始まります。

裁判所は、提出された訴状や証拠を確認し、訂正すべき事項があれば原告に補正を促します。

補正がない場合や補正がされた後、第1回期日が指定され、訴えられる側(被告)に対しても訴状が送達されます。

被害者側が、治療を終えたり後遺障害の認定を受けたりした後、あるいは事前に加害者との交渉をしていたが決裂した後で裁判になる場合は、被害者が原告となり、加害者が被告となって損害賠償請求事件として裁判が始まることが多いです。

逆に、加害者側が被害者の治療中にもかかわらず治療期間を争いたい、受傷の有無や事故状況(過失)を争いたい、という場合には、加害者が原告、被害者が被告となり、債務不存在確認請求事件として裁判が始まってしまうこともあります。

2 第1回期日で終わる場合

原告が訴えを提起してから、第1回期日が指定されるまでは、通常1~2か月の期間があります。

第1回期日に相手方が出席しない場合、原告の主張がそのまま認められることになり、期日は1回で終了し、第1回期日から1か月程度で原告勝訴の判決が出ます。

そのため、被告欠席により第1回期日で終わる場合は、訴えを提起してから判決が出るまで、2~4か月程度と短めです。

ただ、実際にはこの後で被告の財産を差し押さえる手続をする必要があり、この執行手続の方がかなり長期間を要したり、差し押さえるべき財産が見つからなければ回収できなかったり、ということもあります。

3 どんなに短くても半年ほどはかかる

被告が出席したり、擬制陳述といって書面を提出したりすれば、そのまま裁判手続が継続し、期日がその後も繰り返し開かれます。

基本的には、1~2か月に1回程度、原告からの主張、被告からの反論、原告からの再反論、というように双方の主張を重ねていくことが多いです。

証拠がすべて出そろっていて、争いが大きくない場合は、数回の期日で主張を出し合い、その後裁判所から和解案を示されるのが通常です。

和解案を双方が飲めば、和解期日にて和解成立、となります。

そのため、最も短くても、半年程度はかかると見込んだ方が良いです。

4 証拠の獲得や証明に時間を要する場合

交通事故の裁判で証拠をそろえるためによく行われるのが、怪我の治療をしていた医療機関に対する文書送付嘱託によるカルテ等の取付です。

加害者側が治療経過等を確認するために申し立てることが多く、裁判所を通じて医療機関から記録を取り寄せる手続で、医療機関にもよりますが、これも1~2か月を要することが多いです。

医療記録に基づいた主張反論を要する場合は、この手続をした後に具体的な主張反論となるため、その分長くなります。

医学的な争点がある場合は、互いに医師の意見書を準備・提出することもあり、そうすると双方で準備に1~2か月を要することもあります。

また、そもそも事故状況に争いがあるなど、当事者本人に尋問しないと裁判所が判断できない、というケースでは尋問が開かれます。

尋問では、当事者のほか、証人がいるケースでは、準備や日程調整の関係で期日が先になってしまうこともあります。

こういったケースでは、1年以上かかることも多いので、事前に争点や相手方の対応などを踏まえてどのぐらいの期間が見込まれるかを、弁護士と打ち合わせておくと安心です。

債務不存在訴訟の場合、事故直後や治療中から裁判が始まってしまうこともあるため、そうすると、治療が終了したり後遺障害の認定を受けたりといった期間もすべて裁判期間に含まれるので、裁判自体が長期化する傾向にあります。

5 裁判手続が1回で終わらないこともある

第1審の手続が無事終わったとしても、判決が出て双方が控訴しなければそこで終結となりますが、どちらかが控訴すれば、控訴審が始まります。

控訴審は、基本的には初回期日で結審されることが多いので、あまり長くなることはありませんが、控訴から初回期日開催までに3か月程かかることが多いです。

そのため、控訴から控訴審判決までは、半年程度は見込んだ方が良いでしょう。

第1審手続から通算すると2年以上、場合によっては3年程度かかることもありますので、その都度、弁護士とよく打ち合わせてどのような手続や方針を取るか、検討するのがおすすめです。

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