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Q&A

自己破産すると引っ越しができなくなりますか?

  • 文責:弁護士 松井大幸
  • 最終更新日:2025年7月31日

1 裁判所の許可が必要になる

自己破産すると引っ越しが制限されるということは、ネット等から情報を得ている方もいらっしゃるかと思いますが、実際には引っ越しができなくなるわけではなく、裁判所の許可が必要になります。

日本は人治主義ではなく法治主義の国ですので、憲法で保障されている居住および移転の自由を制限するためには、法律の根拠が必要です。

その根拠規定となるのが、破産法37条1項で、同項は、「破産者は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。」と定めています。

引っ越しの際は、従来の居住地を離れることになりますので、裁判所の許可が必要になるということになります。

2 制限されるのはいつからいつまでか

破産法37条1項による制限は、「破産者」に課せられるものです。

そして、破産者とは、破産手続開始の決定を受けた債務者ですので(破産法2条4項)、破産手続開始の申し立てを行ったものの、まだ破産手続開始決定を受けていない場合は、この制限の対象にはなりません。

また、この制限は破産手続が終了するまで続きます。

個人の方の破産手続の多くは手続きの「廃止」(同時廃止または異時廃止)により終了しますので、手続が廃止されれば制限は解除されることになります。

また、同時廃止の場合は、破産手続開始と「同時」に手続廃止となりますので、引っ越しの制限は受けないことになります。

3 実務の実際はどうか

上記のとおり同時廃止では引っ越しの制限は生じませんので、引っ越しの制限が問題となるのは管財手続きになります。

手続き中に引っ越すということがあるのか疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、住宅ローンのある自宅に居住している方が破産手続を行う場合、破産手続開始までに引っ越しが完了しないこともあり、そうなると、自宅の任意売却を破産管財人が行う場合は破産手続中に引っ越しを行うことになります。

また、今の家では家賃が高いという理由で、より安い賃貸に引っ越したり、実家に戻ったりといった引っ越しを行うということもありえます。

破産者に対する転居の制限は、主に破産管財人の業務の便宜(破産者への事情聴取など)のためですので、破産管財人の業務に支障がなければ引っ越しは問題ありません。

そのため、千葉地方裁判所では、引っ越しについて破産管財人が同意すれば、裁判所も黙示に許可をするという取り扱いになっています。

基本的には、必要性のある引っ越しであれば、同意は得られるものと考えられます。

引っ越ししても、携帯電話など情報通信技術が高度に発達した現在では、管財業務に支障が生じることはまずないからです。

無断での引っ越しは免責不許可につながるおそれもありますので、引っ越しを予定されている方は事前に弁護士までご相談ください。

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