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過払い金が戻ってこないケース
1 過払い金が戻ってこないケースはある
過払い金返還請求について検討する場合、そもそも過払い金が発生する取引、すなわち利息制限法の上限利率を超える利率での借り入れをしていたのかどうかをまず確認する必要がありますが、利息制限法の上限利率を超える利率での借り入れを行い、計算上は過払い金が発生していた場合でも、過払い金が戻ってこないケースがあります。
本稿では、そのようなケースについてご説明します。
2 消滅時効が完成しているケース
⑴ 10年または5年
まず、業者との最終取引日(取引には返済のほか貸付も含まれます)から10年を経過している場合は、過払い金返還請求権は時効により消滅しますので、過払い金は戻ってきません。
消滅時効の期間については2020年4月1日に改正法が施行されており、上記の説明は最終取引日が改正法施行日より前の場合です。
改正法施行後は、過払い金返還請求権を行使することができることを知った時から5年が経過した場合も時効消滅します。
⑵ 完済後再度契約している場合
なお、例えば2002年1月31日から利息制限法の上限利率を超える利率でA社から借り入れを開始して2012年3月31日に完済し(契約も解約)(第1取引)、2013年6月1日からA社と再度契約を締結して利息制限法の上限利率内で借り入れを開始し2022年3月31日に完済した場合(第2取引)、通常、第1取引と第2取引は別個の取引と判断されますので、最終取引日は2012年3月31日となり時効消滅していることになります。
もしも第1取引と第2取引が一連の取引と判断される場合は、2022年3月31日が最終取引日となります。
⑶ 途中で貸付停止措置が執られていた場合
また、例外的なケースになりますが、取引継続中に貸付停止措置が執られていた場合、貸付停止措置が執られた日(または貸付停止措置が執られたことを知った日)を消滅時効の起算日と認定している裁判例があります。
貸付停止措置が執られると、それ以降は返済のみとなります。
最終取引日が2018年3月31日の場合でも、2012年3月31日に貸付停止措置が執られ、その日を消滅時効の起算日と認定された場合は、過払い金は時効消滅していることになります。
3 ショッピングの残高がある場合
クレジットカード会社に対して50万円の過払い金返還請求権を有している場合でも、ショッピングの残高が80万円残っている場合は、過払い金はショッピングの残高から控除されます。
これを法律用語で相殺と言い、現金が戻ってくることはなく、ショッピングの残高が減ります。
4 和解をしている場合
利息制限法の上限利率で計算すれば過払い金が発生しているにもかかわらず、それを知らずに返済和解またはゼロ和解(債権債務はありませんという和解)をしているケースがあります。
このような和解には通常、過払い金はありませんということをお互いに確認する趣旨の条項が含まれていますので、当該和解が無効と認定されない限り、過払い金は戻ってこないことになります。
自動車ローンと過払い金 過払い金について裁判をした場合にかかる期間

















