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過払い金の対象となる方
1 状況の変化
2000年代後半から2010年代前半は、過払金返還請求の件数も多く、東京地方裁判所ではそれに対応する部も設けられたほどでした。
債務整理の法律相談でも、消費者金融やクレジットカード会社の負債について返済が厳しくなり自己破産や任意整理の法律相談を申し込まれた方の多くが債務整理は不要になり、過払い金が戻ってきていました。
しかし、グレーゾーン金利の廃止により過払金返還請求の件数は徐々に減少し、現在では、過払い金についてのご相談をお申込みいただいた場合でも、そもそも過払い金が発生していない(当初から利息制限法の上限利率以下で借り入れている等)というケースが増えています。
そこで、本稿では、過払い金の対象となる方について、大まかにご説明したいと思います。
2 どの業者から借り入れたのか
過払い金というものが発生したのは、グレーゾーン金利という利息制限法の上限利率を超える利率での貸付が一定の条件により認められていたためでした。
このグレーゾーン金利により貸付を行うことができたのは貸金業法の規制対象となる業者、すなわち消費者金融会社とクレジットカード会社です。
そのため、銀行(信用金庫も含む)のカードローン等の借り入れについては、それが古くからの借り入れであっても過払い金は発生しません。
3 クレジットカード会社の場合、ショッピングではないか
クレジットカード会社は、その多くがかつてはグレーゾーン金利での貸付を行っていましたので、クレジットカード会社から借り入れをしていた場合(キャッシング、カードローン、証書貸付等)、過払い金が発生している可能性はあります。
しかし、ショッピング(立替金)についてはグレーゾーン金利というものがありませんので、ショッピング取引を継続していたとしても、過払い金は発生しません。
4 2010年6月18日以降に新規契約をしたのか
過払い金が発生する原因はグレーゾーン金利での貸付ですが、このグレーゾーン金利は、2010年6月18日施行の改正貸金業法により廃止されました。
そのため、2010年6月18日以降に消費者金融業者等と新規に契約して借り入れを開始した場合は、過払い金が発生していることはありません。
5 グレーゾーン金利で借り入れていたのか
グレーゾーン金利は2010年6月18日に廃止されましたが、実際には、消費者金融業者やクレジットカード会社は、それよりも前から新規契約についてグレーゾーン金利の適用を止めていました。
そのため、各業者がグレーゾーン金利での新規契約をストップした後に当該業者と新規契約を締結して借り入れを開始した場合、過払い金は発生していないことになります。
グレーゾーン金利での新規契約をストップした時期については業者により区々ですので、ご相談いただければと思います。
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