お役立ち情報
約定利率が低いケース
1 約定利率の引き下げ
利息制限法の上限利率を超える約定利率での貸付けを行っていた消費者金融会社やクレジットカード会社は、過払金返還請求の件数が増大したことを受け、2007年~2008年までには、新規契約の約定利率を利息制限法の上限利率以下に下げました。
参考リンク:日本貸金業協会・上限金利について
しかし、ある業者が新規契約の約定利率を利息制限法の上限利率以下に下げる前であっても、約定利率が利息制限法の上限利率以下になっているケースがあります。
2 消費者金融の場合
例えば、消費者金融会社であるA社は、2007年6月に新規契約の約定利率を利息制限法の上限利率以下に変更しましたが、それ以前から借り入れを行っている場合でも、2007年6月より前に約定利率が利息制限法の上限利率以下になっているケースがあります(仮にその債務者を甲さんとします)。
その理由として考えられるのは、借り入れをしている甲さんの経済的信用性が高く、A社の優良顧客であるため、A社からの借り入れを継続してもらうために約定利率を下げた、というものです。
このようなケースでも、契約当初の約定利率は利息制限法の上限利率を上回っていますので、過払い金は発生し得ますが、利息制限法の上限利率以下での取引の期間が長いと、発生する過払い金も少なくなります。
また、利息制限法の上限利率以下の利率に下がってから借り入れが急激に多くなり、完済しておらず約定利率による残高が残っている状態ですと、取引期間が10年を軽く超えていても過払いになっていないこともあります。
3 クレジットカード会社の場合
現存するクレジットカード会社には、複数のクレジットカード会社が合併等で統合されてできた会社がいくつかあります。
例えば、B社はいくつかの会社が合併してできていますが、合併前のいくつかの会社は約定利率を超える利率のキャッシング商品を提供していましたので、B社と20年もキャッシング取引をしていたということであれば、弁護士等の専門家はある程度の過払い金が発生していると想定しますが、合併前の一部の会社は昭和の時代から利息制限法の上限利率以下の商品を提供していましたので、その商品を利用していた場合は、過払い金は全く発生していないことになります。