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相続した過払い金返還請求権の調査

  • 文責:弁護士 山森一男
  • 最終更新日:2025年10月29日

1 相続財産の調査

相続人の誰もが被相続人の生前に交流がなかった場合、被相続人の財産については相続人が調査をしなければなりません。

調査の結果、負債が多いことが判明した場合は、相続放棄を検討することとなります。

相続財産調査の第一歩は、被相続人の遺物を調査することです。

例えば、被相続人の財布に銀行のキャッシュカードが入っていた場合、その銀行に預金がある可能性が高いです。

また、証券会社からの郵便が届いていた場合、その証券会社に口座を持っている可能性があります。

逆に、債務の中に消費者金融業者等に返済した際のATM明細が財布の中に入っていた場合、その消費者金融業者等に負債がある可能性があります。

被相続人の通帳にクレジットカード会社への口座振替の記録がある場合も同様です。

上記のような手がかりがない場合でも、相続人であれば、金融機関等に被相続人の口座の有無を問い合わせることが可能です。

不動産の場合、市区町村の役所で被相続人の名寄帳を発行してもらえば、当該市区町村に存在する被相続人のすべての所有不動産が判明します。

2 過払い金の調査

相続財産としての過払い金返還請求権については、相続人はその存在自体把握することも困難なのではないかと思われます。

なぜなら、一部の法律事務所や司法書士事務所が過払い金返還請求のテレビCMを出していたことはありますが、消費者金融からの借り入れやクレジットカード会社のキャッシングと縁のない生活をしている人の場合、そのようなテレビCMに興味はないと思われますので、過払い金返還請求手続きについてよく知らなかったり、今回のケースにおける必要性が分からなかったりすることもあると考えられるからです。

それゆえ、被相続人が消費者金融から借り入れをしていたり、クレジットカード会社とキャッシング取引をしていたりした場合は、一度弁護士に相談することが重要になります。

被相続人が消費者金融会社から借り入れをしていたり、クレジットカード会社とキャッシング取引をしていたりしたことが判明した場合、相続人であれば、当該消費者金融会社やクレジットカード会社に対し、被相続人の取引履歴の開示を請求することができます。

取引があるかどうか分からない場合でも、業者に調査を依頼すれば取引の有無を開示してくれます。

取引履歴が開示された後の手続は通常の過払い金返還請求手続きと同様です。

相続人が複数いる過払い金返還請求の場合には、こちらのページもご覧ください。

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