『労災』のご相談なら【弁護士法人心 千葉法律事務所】

千葉労災相談室

大変申し訳ございませんが、担当弁護士の予定が一杯のため、現在、労働災害のご相談はお受けすることができません。

お役立ち情報

業務災害と通勤災害の違い

  • 文責:所長 弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2023年1月27日

1 労災保険の申請をお考えの方へ

業務中や通勤中にけがなどをしてしまった場合、労災保険の申請をすることができます。

業務災害も通勤災害も、いずれも労災保険による給付の対象となりますが、給付の内容や解雇の制限などについて、取扱を異にする部分があります。

以降で両者の区別や違いについて、説明をしていきます。

2 業務災害と通勤災害の区別

業務災害は、災害発生時に事業主の支配・管理下にあったこと(業務遂行性)と、業務が原因となって災害が発生したこと(業務起因性)の2つの要件を充足する災害をいいます。

これに対し、通勤災害は、住居と就業の場所との間の移動や、複数の就労場所を移動する際などに生じた災害をいいます。

業務災害が「業務中の事故」であるのに対し、通勤災害は「業務外の事故」となります。

3 業務災害と通勤災害の違い

業務災害と通勤災害には、以下のような違いがあります。

⑴ 通勤災害における保険給付の名称には、「補償」の名称が付されていません。

例えば、療養給付(治療費の給付のこと)について、業務災害に対する給付は「療養補償給付」とされるのに対し、通勤災害に対する給付は「療養給付」とされています。

これは、業務災害に対する給付が、労働基準法75条以下の「災害補償」の規定に基づき、事業主の義務の一環として行われるのに対し、通勤災害に対する給付は、災害補償とは別の給付として行われることによるものです。

なお、業務災害においては、この補償のための資力について、事業主の資力不足による不利益を避けるために、労災保険制度が設けられています。

⑵ 業務上災害と通勤災害とでは、労災保険に対する申請書類が別々の書式となっています。

⑶ 休業補償は、上記の労働基準法の災害補償の規定に基づき行われます。

このため、労災保険において支給対象外となる、事故による休業3日間までの分について、業務災害であれば事業主に給付義務がありますが、通勤災害の場合は、事業主による給付義務はありません。

⑷ 労働基準法19条は、業務上の災害や疾病による労働者の療養中は、労働者の解雇について制限を加えています。

しかし、通勤災害は業務上の災害には当たらないため、解雇の制限はないことになります。

⑸ 業務災害に対する治療費は、全額、労災保険から支給されるのに対し、通勤災害の場合は、一部負担金として、初回の労災保険からの休業給付の額より200円が控除されます。

専門家紹介へ

スタッフ紹介へ