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労災の損害賠償請求について

  • 文責:弁護士 山森一男
  • 最終更新日:2025年12月9日

1 労災の損害賠償請求をお考えなら弁護士へご相談ください

労災では、会社などの使用者側に、過失等の安全配慮義務違反が認められる場合には、損害賠償請求をすることができます。

労災の損害賠償請求は、自動車事故の被害に遭った際の損害賠償請求と共通するところがありますが、労災事故に限らず、損害額の算定をするためには専門的な知識が必要となります。

そのため、労災の損害賠償請求については、労災に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

2 労災の損害賠償請求は自動車事故の場合と似ている

労災事故に対する損害賠償は、通勤途中あるいは就労中の事故により、負傷あるいは死亡したことに対する損害賠償となります。

負傷あるいは死亡に対する損害賠償という点で、自動車事故における損害賠償と共通しています。

また、自動車事故による後遺障害の認定基準は、労災保険における認定基準が基礎となっています。

このため、労災事故の損害賠償請求は、自動車事故における損害賠償請求と同様の基準に基づくものと考えて、差し支えありません。

それでは、労災で請求できる損害項目にはどのようなものがあるのでしょうか。

3 損害賠償請求の項目及び自動車保険との関係について

⑴ 労災で請求できる損害項目

労災では、以下の項目を請求することが一般的です。

・治療費、診断書などの作成費用(文書料)

・通院のための交通費

・事故発生日から治療終了日または症状固定日までの期間・日数に応じた慰謝料

・休業損害

・後遺障害が残った場合は、これに対する慰謝料と逸失利益

⑵ 事故の相手方への請求

労災事故の場合、労災保険からの給付を受けることができますが、上記の項目のうち、慰謝料については労災保険からの支払いがありませんので、事故の相手方(加害者)がいる事故であれば、同人に請求することになります。

また、労災保険からの支払いは、損害の一部にとどまることが多いので、その差額を相手方に請求することになります。

⑶ 労災事故が自動車事故である場合の請求

例えば、通勤途中の自動車事故や、仕事で車両を運転中の事故など、労災事故が自動車事故である場合には、被害者は、労災保険と自動車保険の両方に請求することができます。

ただし、休業損害(休業補償)のように、実際に発生した損害の範囲での給付にとどまる項目については、双方の保険から、実損害を超える金額の支払いを受けることはできません。

⑷ 休業損害を両方から支払いを受けられる場合の選択

休業損害について、労災保険と自動車保険の両方から支払いを受けることができる場合、労災保険から支払いを受けた方が有利となります。

これは、以下の理由によります。

・労災保険の場合、損害そのものに対する支払いの他に、特別支給金が別途支払われること。

・過失相殺に見込まれる事案について、労災保険からの支払いは、休業損害以外の項目への支払いには充てられないこと。

例えば、治療費50、休業損害50、過失割合50:50(損害額の2分の1の支払しか受けることができない。)の場合、相手方としては50を支払えばすべて弁済したこととなり、被害者としては50しか支払ってもらえないことになります。

【(50+50)÷2=50】

これに対し、労災保険から休業損害に対する支払いとして50が支払われた場合、これを治療費に対する支払いに充てることはできないため、被害者はなお、相手方に対し治療費の支払いを請求することができます。

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