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「自己破産」に関するお役立ち情報

自己破産した場合に生命保険の取り扱いはどうなるか

  • 文責:所長 弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2023年9月4日

1 自己破産と財産

自己破産手続では、破産者に帰属する財産は原則として破産管財人により換価処分され、破産債権者への配当に充てられることになります。

破産手続では、破産者が契約している生命保険が破産者に帰属する財産になります。

破産者の配偶者が契約している保険は配偶者に帰属する財産ですので換価処分の対象にはなりません。

なお、配偶者等第三者が契約者となっている生命保険でも死亡保険金の受取人が破産者になっている場合の死亡保険金請求権は、破産者の所有する財産になります(死亡保険金請求権は本稿での考察の対象外とします)。

ただし、破産者の財産は破産手続開始決定時に存在しなければなりませんので、破産手続開始決定後に契約した生命保険(および破産手続開始決定後に契約した生命保険から発生した死亡保険金請求権)は、破産手続で換価処分の対象になる財産には含まれません。

2 破産者が契約する生命保険について

破産者が契約している生命保険の評価額は、破産手続開始決定時に解約したとした場合の解約返戻金見込額になります。

そのため、掛け捨ての生命保険の場合は、評価額は0円になります。

解約返戻金がある場合は、現在の千葉地方裁判所の運用では、破産者が有するすべての保険(損害保険等を含む)の解約返戻金の合計額が20万円以下の場合保険は換価対象外の財産となり、20万円を超える場合でも、その他の財産(預貯金、自動車等)とあわせて99万円以下であれば原則として自由財産の拡張が認められています。

仮に99万円を超える場合でも、超える部分の金額を現金で破産財団に組み入れれば、千葉地方裁判所では原則として自由財産の拡張は認められています。

例えば、破産者の財産として現金が5000円、預貯金が1万円、保険の解約返戻金が120万円ある場合、121万5000円から99万円を控除した22万5000円を破産財団に組み入れれば、原則として自由財産の拡張が認められ保険は残しておくことができます。

なお、この事例で、組み入れるだけの原資(22万5000円)を調達できない場合は、保険は破産申立て前に解約して破産費用に充て、残りは預貯金として保管しておくとよいでしょう。

3 保険の必要性

現在の千葉地方裁判所の実務では、保険についての自由財産の拡張について、99万円以内であれば(99万円を超えていても超過額を破産財団に組み入れれば)、保険を維持する必要性はそれほど問題になりません。

ただ、別の地方裁判所では、99万円以内であっても維持する必要性の低い保険は破産管財人によって解約されてしまうこともあるようであり、千葉地方裁判所の実務がその方向に変更されることもあり得ますので、注意は必要です。

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