「任意整理」に関するお役立ち情報
ショッピング利用のあるクレジットカードについての任意整理の注意点
1 金銭の貸付との違い
銀行や消費者金融、またはクレジットカード会社と継続的な金銭消費貸借取引(カードローンやキャッシングなど)をしている場合に、返済が厳しくなったため任意整理をするケースを考えます。
弁護士に任意整理を依頼すると、受任した弁護士が対象となる業者に債務整理の受任通知を送付します。
そうすると、送付を受けた業者は、当然ですが、新たな貸付けを停止することになります。
つまり、金銭の借り入れの場合、保証会社のない継続的金銭消費貸借取引であれば、当該業者が受任通知を受領し新たな貸し付けを停止した時点の元金が任意整理の対象となり(この元金に対して遅延損害金が発生します)、保証会社のある継続的金銭消費貸借取引の場合でも、受任通知の送付から1~2か月程度で保証会社による代位弁済が行われ、保証会社の求償債権元本が確定することになります。
しかし、クレジットカードのショッピングの場合、キャッシングと同様に、受任通知を受領したクレジットカード会社が新たな利用を停止した時点でショッピングも使えなくなりますが、携帯電話料金や会費等、定期的(1か月毎や3か月毎に支払うもののほか、ウイルス対策ソフトの更新料など1~3年毎に支払うものも含まれます)に継続して支払うものについて、その支払い方法をクレジットカード払いにしていた場合、クレジットカード会社がカードの新たな利用を停止した後も、その料金等の支払い方法を口座振替など別の方法に変更しない限り、加盟店からクレジットカード会社に対する請求は継続することになります。
加盟店からの請求が止まらない限り、負債額(元金)は確定しませんので、クレジットカード会社との任意整理の交渉は開始できないことになります。
そのため、弁護士に任意整理を依頼しようと決めた場合は、クレジットカード払いになっている料金等を確認し、その支払い方法を別の手段に変更するといった対応が必要になります。
とくに、毎月利用明細を確認する習慣があるような方でない限り、低額の会費等をクレジットカードで支払っていることを忘れてしまっていることもありますので、クレジットカードの利用停止によりウェブで明細を確認することができなくなる前に(なお利用停止後も確認できるかどうかは業者によります)、明細を確認しておくことをおすすめします。
もちろん、弁護士が受任した後は、定期的に支払われているものについて弁護士からクレジットカード会社に確認することは可能です。
2 ETCカード
日常生活や仕事で車を利用されている方の中には、クレジットカード会社発行のETCカードをお持ちの方も多いと思いますが、クレジットカード会社を対象とする債務整理を行うと、ETCカードも同時に利用停止になります。
ただ、一部のクレジットカード会社は、安全上の理由から、債務整理に入った後もETCカードを利用停止にしていないようです。
そのため、任意整理を行う場合は、ETCカードについてもカードを切断し、カード会社へ返却しまたは廃棄しなければなりませんので、弁護士との相談の際には、クレジットカードのみならずETCカードも持参し、依頼する弁護士に渡してください
なお、仕事等で頻繁に高速道路を使うためETCカードが必須だという場合は、高速道路会社6社が共同で発行しているETCパーソナルカードを利用するとよいでしょう。
ETCパーソナルカードの場合、発行にあたり審査はありません。
詳細は、NEXCO等カード発行会社のウェブサイト等をご覧ください。
任意整理をした場合の返済期間 任意整理を弁護士に依頼した場合の費用