弁護士に依頼中の人から相談の申込みを受けるケースはありますか?
1 はじめに
どんな弁護士でも、他の弁護士に依頼中の案件について相談の申込みを受けたことは何度かあると思います。
当法人でも、他の弁護士に依頼中の方から相談のお申し込みを受けることがあります。
そこで、今回は、他の弁護士に依頼中の方からご相談の申込みを受けるケースについて、いくつかご説明します。
2 案件の処理がなかなか進まないケース
⑴ 受任弁護士に問題があるケース
案件の処理がなかなか進まないケースで、その原因が受任弁護士にある場合、理由は以下の3つが考えられます。
①あまり経験のない類型の事件のため手間取っている。
②経験はあるものの、案件数が過剰で滞留している。
③受任弁護士のメンタルヘルスに問題が発生している。
一般市民の方にとって、弁護士に案件を依頼することは、一生に一度あるかないかだと思います。
そうなると、ご自身が依頼している弁護士の案件処理が遅れているのか否か、客観的な判断が難しいこともあると思います。
そこで、ちょっと進行が遅いのではないかと感じたら、自分と同じような案件について経験のある他の弁護士に相談してみることをおすすめします。
⑵ 案件自体に問題があるケース
案件の処理がなかなか進まないケースで、案件自体が原因であるというケースももちろんあります。
例えば、処理が困難な案件であれば、それだけ時間がかかることになります(原発事故についての国家賠償請求を想定するとわかりやすいのではないでしょうか)。
なお、弁護士が依頼者の方に書類の準備等をお願いしているにもかかわらず、依頼者の方が用意してくれないため、案件の処理が進まないというケースもあります(破産、再生では多いです)。
弁護士に依頼された書類等は速やかに準備するよう心がけてください。
3 依頼している弁護士と意見があわないケース
事件処理を依頼している弁護士が訴訟手続等を進めているものの、その途中で弁護士と意見が合わなくなったため、相談を申し込む方も時々いらっしゃいます。
しかし、このようなケースの多くは、訴訟や調停の進行状況等を踏まえた弁護士の専門家としての意見が、依頼者の希望と合わない、ということを理由とするものです。
となりますと、他の弁護士に相談しても、その意見は現在依頼している弁護士と同じ内容になることがほとんどです。
一方で離婚事件では、依頼者の方と受任弁護士の価値観に相違があるため、進行の途中で意見が合わなくなり、委任契約解除に至るケースもあります。
離婚事件については、依頼しようと考えている弁護士の価値観、考え方をよく理解した上で委任することが重要です。
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