「債務整理」に関するお役立ち情報
投機目的の借り入れに注意
1 投資目的の借り入れ
借金の原因については様々ですが、自己破産にまで至るケースでは、浪費や射倖行為(ギャンブルなど)が原因というケースも一定割合あります。
投機目的の借り入れはこの射倖行為に該当することになりますが、その負債額は、一般の消費者破産の場合と比較し、大きくなる傾向があります。
投機で多いのは、外国為替証拠金取引(FX)や先物取引です。
通常の株取引(現物取引)のために借金をしたという方は、債務整理の相談ではほとんど見かけません。
これは、現物取引での株取引では、短期間に大きな利益が出ることはあまり想定できず、借入金をつぎ込んだとしても、利益が出るまでに利息の負担が重くなってしまうことを認識しているからだと思います。
2 免責不許可事由
射倖行為が原因で債務を増大させた場合、免責不許可事由に該当します。
そのため、裁量免責が相当であるという事情が必要になります。
参考リンク:裁判所・自己破産の申立てを考えている方へ
投機目的での借金の場合、負債額は比較的大きくなる傾向がありますので、裁判官も裁量免責の可否を慎重に検討することになります。
それでも多くのケースにおいては裁量免責となると考えられますが、もしも破産債権者から免責について意見が出された場合にどうなるのかについてはやや不透明です。
投機目的での借り入れがある場合には、自己破産の免責の見通しについて弁護士によく確認しておくことが大切です。
3 投機目的での借金をしないために
外国為替証拠金取引や先物取引などの投機取引は、競馬やパチンコと同様、人を依存症にすることがあります。
依存症になってしまうと、それをやらないと居ても立ってもいられなくなるため、ある人はその資金を得るために窃盗などの犯罪を繰り返して何度も刑務所に入ることとなり、ある人はあちこちから借金を繰り返して多重債務になるということになります。
ご自身の可処分所得の範囲内で投機取引を行うことはもちろん問題ありません。
しかし、借金をしてまで投機取引をしようと考えている方は、その投機取引によりどのくらいの確立でどの程度の利益を獲得できるのか、調査してみるとよいでしょう。
例えば、借入金の利率を15%とすると、それを上回る利益をどの程度の確率で獲得することができるのか、冷静に調査すれば、投機が割に合わないことはすぐに分かるはずです。
現在お金に困るなどしていて、投機目的での借り入れに手を出そうとしている場合には、それが引き金となって借金が手に負えない状態になってしまうこともありえます。
すでに借金がある場合には、無茶な方法でお金を増やそうとするのではなく、弁護士にご相談いただき、債務整理もご検討ください。























