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弁護士法人心 千葉法律事務所

2回目の自己破産でもできますか?

  • 文責:弁護士 山森一男
  • 最終更新日:2025年12月12日

1 自己破産と免責

自己破産手続きそのものには回数制限がなく、破産手続き開始の要件を充足している限り何度でも行うことは可能です。

そのため、ここで問題となるのは2回目の破産でも免責を受けられるかどうかという点になります。

破産法252条1項は、「裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。」と規定していますが、同項10号は「次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から7年以内に免責許可の申立てがあったこと。」とし、イとして「免責許可の決定が確定したこと 当該免責許可の決定の確定の日」と規定しています。

つまり、前回の破産手続きにおける免責許可の決定が確定した日から7年以内に免責許可の申立て(自己破産の申立てと同時に行います)を行った場合は、免責不許可事由が存在することになります。

なお、免責不許可事由がある場合でも、破産法252条2項は「前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続き開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。」としており、免責が認められる可能性はあります。

このような免責を、裁量免責と言います。

以下では、前回の免責許可決定の確定から7年経過している場合としていない場合に分けてご説明します。

2 7年経過している場合

前回の破産手続きにおける免責許可の決定が確定した日から7年以上が経過している場合、今回の破産手続きでは、前回の破産手続きで免責許可決定を受けたことそのものは免責不許可事由になりません。

ただし、今回の破産手続きで、借り入れの原因がギャンブルや浪費であったなど、他の免責不許可事由がある場合には、裁量免責を受けられるかどうかが問題となります。

そして、それを検討する際に、「一切の事情」として前回の破産手続きの際の事情が考慮されることになります。

今回も前回もギャンブルや浪費での自己破産ということになりますと、やはり厳しい見られ方をすることになると考えられます。

3 7年経過前の場合

7年経過前のケースでは、裁量免責が認められるかどうかがポイントとなりますが、ギャンブルや浪費等の免責不許可事由が存在する場合と比較すると、裁量免責のハードルは高いと思われます。

少なくとも、今回の破産の原因が、やむを得ない事情によるものでなければ免責されないのではないかと思われます。

そのような事情がなく、免責が認められる可能性が低いと判断される場合には、他の手続きを検討することも必要となります。

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