遺言書の書き方に関するQ&A
遺言書の書き方を教えてください
法律的には、手書きの遺言書(=自筆証書遺言)は、法律で決められた次の要件を満たせば、書式は基本的に自由です。
- ①遺言者がすべて手書きで書くこと(※)
- ②日付・氏名を自書し、判子を押すこと
※自筆証書遺言でも、財産目録など一部をパソコンで作成することはできます。
ただし、相続手続きをスムーズに行うためには、預金口座の番号や不動産の所在を明確に記載するなど、注意しなければならない点があります。
遺言書の書き方の例文や注意点を教えてください
手書きで遺言書を書く際は、法律的な2つの必要条件(①すべて手書き、②日付、氏名、判子)の他に、以下の点に気をつける必要があります。
遺言書に以下のようなミスがあると、せっかく遺言書を作っても、結局相続人全員で話し合う必要が出てきてしまうからです。
①誤字、脱字を訂正する場合は、法律で定められた方法で行う
後でも説明しますが、遺言を訂正する方法は法律で定められています。
修正液や修正テープなどを使うことはできません。
②財産を相続させる人の氏名や財産の詳細を明確に書く
どの相続人にどの財産を相続させるかについて、詳しく書く必要があります。
財産を取得する相続人や、取得させる財産の内容が明確でない場合、せっかく作った遺言がかえって紛争の原因となってしまうこともありえます。
〇良い例
遺言者は、遺言者の長男である〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に遺言者名義の次の財産を相続させる。
(土地)
所在 千葉市中央区弁天一丁目
地番 〇〇番〇〇
地目 宅地
地積 〇〇㎡
(預金)
〇〇銀行〇〇支店普通預金(口座番号:〇〇〇〇〇〇〇〇〇)
×悪い例
長男に、自宅と預金を相続させる
③遺言執行者を決めておく
遺言執行者を決めておくと、よりスムーズに遺言の内容を実現することができます。
遺言執行者には、弁護士などの専門家を指定することをおすすめします。
〇例文
遺言者は、この遺言の遺言執行者として〇〇を指定する。
④遺言執行者の権限に貸金庫の開扉を入れておく
相続が始まった後で銀行など金融機関の貸金庫を開けるためには、原則として相続人全員の同意と立ち会いが必要になります。
遺言執行者の権限に貸金庫の開扉を入れておけば、遺言執行者は単独で貸金庫を開けることができます。
⑤財産を受け取る人が、遺言者より先に死んだ場合に備え、相続先の第2候補も決めておく(予備的遺言)
財産を受け取る予定だった人が、遺言者より先に亡くなってしまった場合、亡くなった人にかかる部分は無効になってしまいます。
予備的遺言を合わせて記載しておけば、財産を相続する予定だった人が遺言者より先に亡くなってしまった際は、第2候補の人に財産を相続させることができます。
参考リンク:日本公証人連合会・Q2.予備的な遺言について、説明してください。
〇例文
遺言者より前に又は遺言者と同時に〇〇が死亡していたときは、遺言者は前条記載の財産を△△に相続させる。
⑥「相続させる」「遺贈する」という文言の違いに気を付ける
相続人に遺産を取得させることを「相続」といいます。
一方で、相続人以外の人に遺産を取得させること「遺贈」といいます。
遺言を作成する際は、相続と遺贈を正しく使い分ける必要があります。
相続人に譲る場合は「相続させる」、相続人以外の場合は「遺贈する」を使いましょう。
遺言書はパソコンで作成しても大丈夫ですか?
いいえ。
遺言書は、原則すべて手書きでなければなりません。
ただし、財産目録など一部をパソコンで作成することはできます。
手が悪いのですが、遺言書を代わりに書いてもらうことはできますか?
遺言書は、すべて自分で書かなければいけません。
他人に代筆してもらったものは無効になってしまいます。
また、誰かが手を添えて書いた場合も、裁判で無効になる可能性があります。
遺言書が複数枚になっても大丈夫ですか?
はい、複数枚になっても有効です。
サインや判子も、最後の1枚にあれば大丈夫ですが、バラバラになったり、途中のページをすり替えられたりすることを防ぐため
- ・封筒に入れて、封をする
- ・ステープラーで止め、契印(※)をする
などの対策をしておくと安心です。
※契印とは、ページにまたがるように印鑑を捺印することで、複数のページがつながっていることを証明するものです。1ページ目と2ページ目の間、2ページ目と3ページ目の間……というように、すべてのページの間に捺印をしていきます。
財産状況が変わっても、遺言書は有効ですか?
はい、有効です。
例えば、遺言書に記載していた土地を売却してしまっても、その他の財産については遺言書の内容が有効のままとなります。
ただし、遺言書を作成した時には所有していなかった財産が増える可能性がある場合は、遺言書で何らかの対策をしておく必要があります。
遺言を書き直したいのですが、決まりはありますか?
はい、遺言の訂正や書き直しについても、決まりがあります。
これを満たしていないと、法的に有効な遺言とはならないおそれがあります。
書き損じた場合や、状況が変化したことにより遺言の内容を訂正したい場合などは、注意が必要です。
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