自己破産をするとどうなるのか
1 自己破産をすることでの大きな変化
⑴ 返済義務が免除される
自己破産をするとどうなるのかという点で、大きな変化は、借金の返済義務が原則として免除されることです。
個人の方が選択できる債務整理には、自己破産の他に、任意整理や個人再生があります。
任意整理と個人再生は、借金を減額したうえで、原則として返済を続けることを前提とした手続きです。
一方、自己破産をすると、税金等の非免責債権を除き、原則として破産手続開始決定時に存在したすべての債務の返済義務が免除されることになります。
借金を返済しなくてもよくなるということは、自己破産の大きなメリットと言えます。
⑵ 資産が換価処分される
自己破産では、負債をすべて清算するということになりますので、原則として資産も換価処分され、配当に充てられることになります。
これに対し、任意整理や個人再生では、原則として資産を強制的に換価処分されることはありません。
ただし、自動車など所有権留保等の担保権が設定されている資産について、その被担保債権を任意整理の対象とする場合、または個人再生を行う場合は、これらの手続きであっても担保権の実行により資産を失うことがあります。
2 自己破産のメリット
自己破産では、一定の財産が処分される可能性がある一方で、非免責債権を除く借金の返済義務が免除されます。
滞納税金等の非免責債権がなければ、これまで収入から支払わなければならなかった債務は、すべて返済しなくてもよくなるため、
収入を、生活再建やお子様の教育費等に充てることができます。
このことは、経済的にはもちろんですが、苦しかった債務の返済から一切逃れられるという点で、心理的にもよい影響を与えます。
任意整理や個人再生では、借金が減額されるものの、その後も3年から5年程度は間返済を続ける必要があります。
そのため、返済の負担は軽くなっても、毎月遅れずに返済しなければならないというプレッシャーは残ります。
また、返済に充てる原資を毎月の収入から確保しなければならないため、経済的な立て直しも、一定の時間を要します。
3 資産について
自己破産のデメリットとしては、資産が強制換価されることが挙げられますが、一般消費者の方が自己破産をする場合、資産が換価されるケースはそれほどありません。
千葉地方裁判所では、財産の総額が99万円以下の場合は、原則として、自由財産としてそのまま保持することが認められます。
例えば、査定価格50万円の自動車があり、それ以外の預貯金などの財産が20万円あった場合、原則として自動車も自由財産としてそのまま保持することができます。
また、仮に査定価格120万円の自動車があったとしても(それ以外の財産はないものとします)、99万円を超える部分の金額(21万円)を破産財団に支払えば、この自動車について自由財産の拡張が認められることがあります。
そのため、自己破産の場合に資産を失うのは、抵当権や所有権留保等の担保権が設定されている自宅や自動車がある場合に、ほぼ限られると言ってよいでしょう。
担保権が設定されている場合は、それが実行されてしまうので、自宅や自動車を失うことにはなります。
なお、自己破産を必要とされる方の場合、解約返戻金のある保険など、金銭にしやすい財産については、破産手続きについて弁護士に相談する前に、すでに金銭化して返済に充てているケースがほとんどです。
それゆえ、自宅が賃貸で、保有する自動車に所有権留保が設定されておらずかつ自由財産として認められる範囲内の査定額であれば、資産を失うというデメリットはほとんど無いといえます。
よって、こうしたデメリットに比べて、負債を免れられるという自己破産のメリットが相対的に大きくなるということになります。
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