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弁護士法人心 千葉法律事務所

労災事故における解決までの流れ

  • 文責:所長 弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2022年10月25日

1 労災事故の場合

労災事故の場合、所定の労災保険金が支払われますが、これによる給付額は、事故により加害者が賠償すべき金額の一部にとどまることが一般的です。

このため、労災事故に遭った場合、労災保険に対する申請と、加害者への賠償請求の両方を進めていくことになります。

2 労災保険への申請

労災保険からの給付は、療養(治療)、休業、障害などの給付項目が定められており、それぞれに、所定の申請用紙が必要となります。

申請用紙は、厚生労働省のホームページよりダウンロードして入手することができます(参考リンク:厚生労働省・主要様式ダウンロードコーナー(労災保険給付関係主要様式))。

また、労働基準監督署などで入手することもできます。

所定の申請書類を提出すると、あとは、労働基準監督署などにおいて事故の状況を確認し、労災保険からの給付の可否および給付額を決定します。

申請に対し、不支給の決定がされた場合は、労働保険審査官に対する審査請求をします。

また、上記の請求を経た後でないと、裁判所への訴えは提起できないことになっています。

3 加害者への請求

⑴ 通勤災害の場合

労災事故のうち、通勤災害は業務外での事故であるため、雇用主の責任は発生せず、事故の相手方に対する請求のみとなります。

事故の態様が交通事故である場合は、一般的な交通事故の賠償基準に基づく損害額を算定した上で、そこから労災保険からの給付額を控除した残額を相手方に請求することとなります。

また、交通事故の場合、自動車事故であれば、強制加入の自動車賠償責任保険と、相手方が加入している任意保険からの支払いも受けることができる可能性があります。

⑵ 業務災害の場合

業務中の事故である業務災害の場合は、雇用主と、直接の加害者である従業員に対し請求することとなります。

雇用主に対する請求は、雇用主自身が加害者である場合や、使用者責任(使用者が加害者である被用者と共に賠償責任を負う制度)が成立する場合を除き、雇用主が事故を避けるために必要な配慮義務(安全配慮義務)を怠ったことの立証が必要となります。

そして、安全配慮義務の内容は、具体的な業務の内容ごとに異なり、法的な検討が必要となるため、弁護士などの専門家に相談する必要があります。

また、事故態様について争いがある場合、労働基準監督署や警察より、事故についての調査・捜査記録の取り寄せが必要となる場合があります。

上記⑴、⑵のいずれの場合も、賠償額を算定するにあたり、交通事故で用いられているものと同様の損害項目や、賠償基準に基づいて算定するのが一般的です。

4 労災事故は弁護士にご相談ください

労災事故を原因とする賠償請求は、上記のとおり、法律についての専門的な知識が必要となる場合があります。

そのような場合には、弁護士にご相談ください。

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