過失割合に納得がいきません。弁護士に依頼すると過失割合は変わりますか?
1 過失割合に納得いかない場合
ケースにもよりますが、弁護士が介入することで過失割合が変わる可能性もあります。
過失割合は、事故の類型ごとに基本的な割合が決められている書籍があり、これをもとに決めるのが一般的です。
とはいえ、個々の事情によって修正が必要なケースも多いです。
そのような判断は専門的な知識がないと難しいことも多いですので、弁護士に依頼して、提示された割合が適切なのか、修正すべき要素があるのかを確認してもらうことをおすすめします。
2 交通事故における過失割合
交通事故における過失割合は、事故の責任が当事者双方にどの程度あるかの割合のことをいいます。
通常は、当事者の一方が加害者、もう一方が被害者ということになりますが、加害者に100パーセント事故の原因がある場合だけでなく、被害者にもある程度の不注意があって事故が起こってしまった場合もあります。
このとき、損害賠償額はそれぞれの過失割合で振り分けて金額を算定することになります。
人身事故における損害賠償額は、治療費、交通費、休業損害、通院慰謝料など、後遺障害が認定された場合はこれに加えて後遺障害逸失利益、後遺障害慰謝料の金額を積み上げて計算されますが、過失がある場合には、過失割合に応じて、請求できる金額が減額されることになります。
例えば、交通事故の被害に遭ってしまい、合計100万円の損害が生じた場合において、過失割合が「相手方70:自分30」だとすると、相手方から支払ってもらえるのは70万円となり、生じた損害に比べてもらえる金額がかなり低くなります。
ですので、交通事故においては過失割合が非常に重要となってくるのです。
3 保険会社から提示された過失割合
相手方保険会社から過失割合が提示されることがありますが、これは多くの場合「別冊判例タイムズ38号」という、過去の裁判例等を参考にして事故の類型ごとに過失割合を定めた本をもとにしています。
例えば、信号のある交差点で直進車と右折車が衝突した場合、その基本的な過失割合は、同本の107類型から直進車:右折車=20:80とされています。
もっとも、この過失割合は、同じ事故類型ならいかなる場合でも同じわけではなく、個々の事情により適宜修正されます。
先ほどの107類型の場合、右折車が早回り右折(交差点の中心より手前で右折すること)をした場合、右折車の過失割合が+10となります。
このような修正要素は、例えばドライブレコーダーの画像や実況見分調書を精査したうえで主張していくことになりますが、相手方保険会社の担当者はあくまで相手方の味方ですので、過失割合について被害者側に有利な事情があるかどうかまで調べてくれることはほとんど期待できません。
そのため、本来であれば被害者側により有利な過失割合となる事情があっても、相手方保険会社からの提示にはそれらが反映されていない可能性が高いといえます。
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